「黒真珠」は石垣島で製造されている琉球泡盛で、この地で養殖される美しい真珠の名前からとっています。直火式蒸留という島独自の製法でつくられており、重厚な甘さが素晴らしかったと思います。
石垣島の直火式蒸留とは
「黒真珠」は沖縄県の石垣島にある八重泉酒造で製造されている琉球泡盛です。
石垣島は沖縄本島から南西方向に約400㎞離れた場所にあり、その一方で台湾とは約270㎞しかありません。日本最西端の島といわれる与那国島とほとんど変わらない場所にある小豆島より少し広い程度の島ですが、そんな島内に酒造所が6つもあるそうです。
石垣島の泡盛の特色としては「直火式蒸留」にあります。焼酎や泡盛は蒸留の際に釜内のもろみに蒸気を当てて90〜100℃になるまで加熱する「縦型蒸留器」や「横型蒸留器」を使用するのが通常ですが、直火式蒸留ではもろみが入った釜に直接火をあてて加熱する「直火式蒸留器」を使用して泡盛をつくっています。
直火蒸留器は火の調整や、火の当たり所、さらに釜の底が焦げないように気を付けなければなりません。職人の勘や腕・経験が必要で、縦型や横型蒸留器などと比べて大変に手間がかかります。
それでも風味がよく古酒にしても美味しくなることから石垣島では直火式蒸留で泡盛造りを行っているようです。
石垣島の自然から生み出される「黒真珠」
黒真珠とは「黒蝶貝」から取り出すこのできる真珠で、黒だけでなく緑系、グレー系、茶系等々、黒蝶貝の持つさまざまな色素が混ざり合っています。その神秘的雰囲気から天然の黒真珠は「人魚の涙」と呼ばれ、自然界では何十万個に1つほどしかできないとされており、石垣島の琉球真珠㈱が世界で初めて養殖に成功しました。
黒真珠は美しい海と自然がなければ決して採ることのできません。八重泉酒造の泡盛も石垣島の清らかな水と自然によって育てられたものであり、恐らくそこから「黒真珠」と名付けられたのでしょう。
ホテルなど多くの場所に置かれており、飲んでみるとまろやかで飲みやすいことから気に入ってリピートする人が多い泡盛だといわれています。
重厚な甘さが素晴らしかった
43度と焼酎・泡盛の中では高いアルコール度数で、全体としてどっしりとした重厚な甘さが素晴らしかったと思います。
ストレート
甘い香りが漂っています。減圧蒸留の麦焼酎で感じられるセメダインのような香りではなく、もっと重厚で爽やかなものです。
アルコール度数が高いので味は荒々しさがあり、焼けるような刺激的な甘さがありました。
ロック
口当たりはトロリとしてきましたが、荒々しさはまだ残っています。バーボンのロックを飲んでいるのと同じような感覚で、氷砂糖の甘さを思い切り重厚にしたような印象です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
口当たりは随分となめらかになり、しっとりと爽やかな甘さを感じられるようになりました。水で割っても薄まったという感覚ではなく、厚みのある甘さは健在です。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
スッキリサラサラした口当たりになりました。氷砂糖そのもので、飲みやすさの極みです。
お湯割り
いろいろな成分が熱で膨らんだというような印象で、もともとの滑らかな甘さが一気に力強さを増しました。「日本の酒を飲んでいる」という気分になれます。
★未成年の飲酒は法律で禁止されています。飲過ぎには十分に注意しましょう
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◆素晴らしき琉球泡盛の世界