琉球泡盛の「玉友44」(ぎょくゆうForty Four )は「甕仕込み」という大変に手間のかかる方法で製造されており、アルコール度数44度と法律上焼酎に許されるギリギリの高さになっています。冷凍庫に1日入れてから飲んでみるとトロリとした甘さが印象的でした。
森伊蔵や村尾と同じ「甕仕込み」
玉友44を製造販売している沖縄の石川酒造場は昭和24年の創業で、「甕仕込み」という製造方法にこだわりぬいた会社です。
「甕仕込み」とは原材料を甕に仕込んで発酵させ、そして蒸留直後の新酒を再び甕に貯蔵するというもので、仕込み中の甕を盆も正月の関係なく毎日かき混ぜなければならず(4時間かかるらしい)、それに加えてもろみの温度調整も大変です。ステンレスタンクに仕込んで大量生産する場合に比べて「甕仕込み」は大変に手間がかかるものですが、甕に無数に開いたミクロの気泡を通じて甕が呼吸し、また気泡に住み着いた微生物が発行の手助けをすることでまろやかな風味の焼酎をつくることができます。
そのため森伊蔵酒造や村尾酒造といった「幻の焼酎」の製造元でもこのやり方で酒造りを行っています。
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泡盛に許された上限に近い度数
玉友44は石川酒造場が泡盛の底力を感じてもらうために総力を挙げた商品で、44度という高いアルコール度数で設定されています。
泡盛は税法上「単式蒸留焼酎」の一つであり、そのためアルコール度数は45度以下でなければなりません。44度という度数は泡盛に許された上限に近い度数で、ほとんどの酒造メーカーではこの度数で蒸留後の貯蔵熟成を行います。その後に水を加えて度数を調整したうえで出荷するのですが、その際に酒が白く濁るのでそれを濾過しなければなりません。
玉友44は貯蔵熟成しているそのままの度数で販売するため加水する必要がなく、白く濁ることもないので濾過は必要最小限で済み、その分だけ泡盛本来の旨味を残しています。
缶詰は保存性も高く、デザイン性からお祝いとしても人気があります
冷凍庫に入れるとトロリとした甘さになった
玉友44は家庭用の冷凍庫に1日~2日入れておくことが推奨されており、私もその通りにしてみました。
取り出してみると瓶は真っ白になりましたが、酒は全く凍っていません。ここまでキンキンに冷やした酒に氷を入れたりお湯で割ったりするのは無意味だと思うので、今回はストレートとトワイスアップだけで試してみることにしました。
合わせる水は秩父山系の天然水です。
ストレート
香りが独得ですが、「いいちこ」や「メローコヅルエクセレンス」で感じた「セメダインの香り」ではありません。丸1日以上冷凍庫で冷やしたことでトロリとした口当たりになっており、強い甘さが印象的です。
「まろやかな風味の甕仕込み」とはいってもやはり44度と度数が高いこともあり、ピリピリ感がありました。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
水を加えることによりストレートの強さが和らげられ、滑らかできめの細かい甘さと香ばしさを感じることができるようになりました。水を加えることで「薄まった」という感覚は全くなく、水により酒の良さが引き出されたという印象です。
懐かしの味に限りなく近かった
15年位前に横浜の焼鳥屋でたまたま飲んだのが私の泡盛との出会いで、トロリとして何とも美味かったことだけが記憶に残っています。それ以降何回も泡盛は飲んできましたが、銘柄を忘れてしまったあの時の味に再び出会うことはできないままになっていました。
しかし今回飲んだ玉友44は懐かしの味に限りなく近かったように思います。
まずはご自身でそのままお召し上がりください。焼酎にぴったり!
★未成年の飲酒は法律で禁止されています。飲過ぎには十分に注意しましょう
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