香取神宮では本宮と奥宮の2か所で3種類の御朱印を頂けます。元禄期の建物がそのまま残る境内は落ち着いた、シックな美しさが感じられました。
御朱印は2か所で計3種類頂ける
御朱印所
香取神宮の御朱印は本宮の授与所(上)と奥宮(下)の2か所で計3種類頂くことができます。
初穂料 500円
御朱印帳
香取神宮では2種類の御朱印帳を扱っています。サイズは小型のみで、紙質は良好です。
価格 2000円
御朱印
本宮
前回頂いた御朱印とかなり印象が変わりました。
奥宮
前回お参りした時にはなかった奥宮と要石の御朱印です。
過去に頂いた御朱印
平成29年9月29日付です。前回はこちらだけでした。
別格中の別格の神社
香取神宮は千葉県の北部で茨城県との県境に近い場所に位置する神社です。
その地域で最も社格が高いとされる「下総国一宮」を名乗っていますが、伊勢神宮や出雲大社のように知名度が高い訳でもなく、「全国初詣ランキング」に登場するような神社でもありません。千葉県内の神社仏閣ということなら成田山新勝寺の方が圧倒的に有名でしょう。しかし日本の全ての神社の中で別格中の別格と言ってもよい存在なのが香取神宮なのです。
そもそも『神宮』とはかつては限られた神社のみが名乗ることを許された社号であり、戦前までは勅許が必要でした。927年に編纂された全国の神社一覧である延喜式神名帳において、神宮として記されていたのは大神宮(伊勢神宮内宮)・鹿島神宮・香取神宮の3つだけとなっています。
毎年元旦の早朝に宮中で執り行われる儀式「四方拝」では天皇が正装で天地四方の神祇を拝し、年災消滅と五穀豊穣を祈ります。この時に拝礼の対象となる神社は伊勢神宮を除けば全国で七社しかありませんが、香取神宮はここに含まれています。
「鹿島・香取」として並び称される一対の存在であり続け、古くより朝廷から篤い崇敬を受けてきた神社です。かつては毎年、現在でも6年ごとに勅使が遣わされています。
武の神を祀る神社
社伝によれば香取神宮の創建は神武天皇の時代とされていますが、実際は定かではないようです。奈良時代初期の713年に編纂が始まった「常盤国風土記」に既に記載があることからそれ以前に成立したことは確実で、大和朝廷による東国支配の拠点として機能したと考えられています。768年に春日大社が創建された際には香取神宮からも勧請しました。
国譲りの神話で活躍した武の神である経津主命を祀る神社であることから鎌倉時代以降も神威は維持され、源頼朝や足利尊氏、徳川家康らからも崇敬を受けました。江戸幕府らも保護を受け、現在残る本殿・楼門・祈祷殿は元禄期の1700年に造営されたものです。
アクセスは二通り
公共交通機関を利用する場合、アクセスは二通りです。
交通
成田線佐原駅より香取市循環バス
成田線・鹿島線香取駅徒歩約26分
バスが一番便利なのですが、本数が少ないのが最大のネックです。その時の状況に合わせてどちらにも対応できる体制にしておくことが必要です。
※香取市循環バスについてはこちら。土日は「休日周遊ルート」平日は「大戸・瑞穂ルート」が香取神宮を通ります。
循環バスの場合
バスのりば②から発車します。
香取駅利用の場合
このような道順になります。途中に一か所だけある大きな交差点で方向を間違えないようにしてください。
ひたすら田園風景の中を歩きます。これぞ日本の原風景です。
地図
シックな美しさの境内
檜皮葺の屋根に黒を基調とした壁や柱という香取神宮の社殿は決して絢爛豪華ではありませんが、派手さはないものの落ち着いたシックな美しさがありました。
朱塗りの大鳥居
表参道
石鳥居
総門
楼門
1700年に造営されたものです。
上下階のバランスが素晴らしいことから香取神宮のシンボル的な建物となっており、国の重要文化財に指定されています。
楼上の額は 東郷平八郎の筆によるものです。
拝殿
1700年に造営された旧拝殿は1936年から1940年にかけて実施された昭和の大修築で南東に移築されて祈祷殿となりました。
現在の拝殿はこの際に新たに建てられたもので、黒を基調とした本殿に釣り合った体裁に改められました。
本殿
1700年に徳川幕府により造営されました。壁や柱は黒漆塗で、要所要所で金の装飾が施されています。屋根は現在檜皮葺であるが、かつては柿葺であったとれています。
元禄時代の神社建築を代表する建物で、国の重要文化財に指定されています。
祈祷殿
1700年の造営で拝殿として使用されていましたが、昭和の大修築に伴って南東に移築されて祈祷殿となりました。
ご神木
拝殿向かって右側にあり、樹齢約1000年と伝えられています。
三本杉
有名なパワースポットで、源義家が「天下太平・社頭繁栄・子孫長久」の三つの願を掛けると1本の杉が3本に裂けたといいます。
桜馬場
境内北側にあり神の使いとされる鹿が飼育されています。
境内社
匝瑳神社
香取大神の親神です。
櫻太刀自神社
安産子育ての神です。
鹿島神宮
市神社・天降神社
楼門の並びにあります。
奥宮と要石
要石
香取神宮と鹿島神宮にはパワースポットとして有名な要石があります。
地中に住んで地震を起こす大鯰を押さえつける守り神とされています。鹿島神宮と香取神宮の要石は大鯰の頭と尾を抑える杭といわれ、見た目は小さいが地中部分は大きく、決して抜くことはできないとされています。(水戸光圀が試してダメだったといわれている)
奥宮
奥宮は要石の近くに鎮座しています。千葉県の天然記念物である「香取神宮の森」に包まれており、「経津主大神の荒ぶる魂」である荒御魂を祀っています。
社殿は1973年伊勢神宮御遷宮の折の古材に依るもので、神明造の特徴がしっかりと残っています。
「評価に値する」と思われたらワンクリックお願いします。
関連記事