安ウィスキーの代名詞的存在のトリスはまずくて通常の飲み方では全くお話になりませんが、トニックウォーターで割ってハイボールにすると味が激変してかなりいけるようになります。
サントリーで最も安いウィスキーであり続けた
トリスの販売が開始されたのは戦後すぐの昭和21年で、現在まで残る銘柄としては昭和12年に販売開始となった角瓶に次ぐ歴史があります。当時は等級製があったため高級なウィスキーの価格は高く、その中で安価だったトリスは大人気となり、比較的社会が豊かになった後も若者を中心に幅広く飲まれ続けました。とはいえ発売当初は原酒の比率が5%という3級酒で、それ以外は水と混ぜ物ということになります。当時の人たちはいったいどのような酒を飲まされていたのでしょうか。
酒税法改正によりウィスキーの等級制が廃止され、ブレンド用アルコールを混ぜることもなくなってトリスの品質は著しく向上しますが、それでもサントリーで最も安価なウィスキーであることは変わっていません。
トリスウィスキーのパッケージやCMにも登場するキャラクターは「アンクルトリス」という名前で昭和33年に生み出されました。小心者のサラリーマンでハイボール好きという設定なのだそうです。
ツナ缶×高級の意外性から50代以上の皆様を中心にお中元・お歳暮に好評
買うのに格別の勇気が必要だった
トリスは安ウィスキーの代名詞的存在で、私の近所の店では税込みでも900円台前半で購入可能です。当ブログでは主として1本1000円~2000円台の比較的安価なウィスキーを中心にご紹介してきましたが、ひょっとしたら最も安いウィスキーかもしれません。
うっかり不味い酒を買ってしまうと飲みきるまでが大変であり、1日で最も楽しいはずの酒を飲む時間が辛抱と我慢で埋まってしまうのはなるべく避けたいものです。1本1000円以下のウィスキーを買う際はいつもそれなりに勇気が必要なのですが、トリスの場合は格別のものがありました。
ブラックニッカ・クリアとサントリー・レッドは糞不味かったことをはっきり憶えているため絶対に買わないのですが、トリスに関してはそもそもこれまで飲んだ記憶がありません。ともかく一度試してみようということで今回初めて購入しました。(飲んでみて気に入らなかった酒はこれまで投稿していません。)
缶詰は保存性も高く、デザイン性からお祝いとしても人気があります
ストレート
スカスカだったブラックニッカ・クリアやレッドと違い、意外にも味は強めでした。甘みが強いのですが雑味も多く、全体的に荒っぽくコクはほとんどありません。
ロック
氷を入れることにより雑味が強まったように感じます。それでも強めの甘さのおかげでするっとのどに流れました。
水割り
次いで水で割ります。合わせる水は大山阿夫利神社でお水取りしてきた「大山名水」です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない)
水で割ると完全に腰砕けになりました。
ハーフロック(1対1で氷を入れる)
もはや何も感じられません。
ハイボール
本来なら「記事にする価値なし」ということで終了なのですが、現行のトリスはハイボール向きということを聞いており、今回はトニックウォーターも併せて購入しておりました。
味のついたもので割るとウィスキー本来の味が損なわれるような気がして避けていたのですが、今回に限りハイボールも試してみることにします。
ハイボールにするとあの雑な味わいがすっかり影をひそめ、トニックウォーターのレモン風味が加わることによって異様なほどバランスの取れた味わいに変化しました。
ハイボールにするとかなりいける
通常の飲み方ではどうしようもなかったトリスですが、ハイボールにした時の味の変化には驚くべきものがありました。「ハイボールでしか味わえないウィスキーの味もある」というご指摘を元バーテンダーの方から頂いたことがありますが、なるほどこういうことを言うのかと大いに納得させられました。
これまで飲んできた酒も改めてハイボールを試してみても良いのかもしれません。
まずはご自身でそのままお召し上がりください。ウィスキーにぴったり!
★未成年の飲酒は法律で禁止されています。飲過ぎには十分に注意しましょう
「参考になった」と思われたらはてブの所をポチっとして頂けますと幸いです
◆安ウィスキーランキングをまとめてみた
◆当ブログで最も高額なウィスキーなのはイチローズモルト
◆ウィスキーでトレーニングを積んだ結果いろいろなことがわかるようになった