東大寺では8か所の御朱印所で華麗な書体の御朱印がいただけます。「奈良の大仏」としてあまりにも有名な寺院で、奈良時代以来の歴史があります。大仏殿や南大門など境内は見どころがいっぱいです。
東大寺の御朱印
東大寺では有名な大仏殿の他に様々なお堂があり、その多くで数種類の御朱印を頂けます。奈良の有名な寺社では御朱印を大量に扱っている場合が多く、欲張ると交通費と滞在費に匹敵するくらいの金額を御朱印につぎ込んでしまうことになるので注意してください。
御朱印所
東大寺では8ヶ所で御朱印を頂けるようです。
大仏殿の御朱印所は堂内拝観ルートの出口付近にあり、当然ながら入場料が必要です。御朱印は「華厳」の1種類です。
行基堂と念仏堂の間にある御朱印所では俊乗堂・行基堂・念仏堂の御朱印を扱っています。
俊乗堂 重源上人・愛染明王・阿弥陀如来の3種類
行基堂 行基菩薩の1種類
念仏堂 地蔵菩薩の1種類
二月堂の御朱印は向かいにある二月堂受納所で、御朱印は「観音力」の1種類です。
三昧堂(四月堂)の御朱印所は堂内で、こちらでは「十一面観音」と「普賢菩薩」の2種類頂けます。
法華堂(三月堂)の御朱印所は拝観受付で、こちらでは「法華」と「不空羂索観音菩薩」の2種類の御朱印を頂けます。
私が現地で確認できたのはこの5ヶ所だけですが、公式HPによるとこれ以外に不動堂・指図堂・戒檀院戒檀堂の3ヶ所でも頂けるようですが、あいにく工事中だったため入ることができませんでした。
受付時間
7:30~17:30(大仏殿4月~10月)
8:00~17:00(大仏殿11月~3月)
初穂料 300円
御朱印
大仏殿
華厳宗の寺院である東大寺大仏殿だけあって「華厳」と華麗な書体で書かれています。
俊乗堂
阿弥陀如来の御朱印だけ頂きました。
行基堂
行基菩薩の御朱印です。
念仏堂
地蔵菩薩の御朱印です。
二月堂
「観音力」で多分合っていると思います。
三昧堂(四月堂)
普賢菩薩の御朱印を頂きました。
法華堂(三月堂)
法華の御朱印のみ頂きました。
東大寺の歴史
733年に若草山山麓に創建された金鐘寺が東大寺の起源と考えられています。741年に「国分寺建立の詔」が発せられると金鐘寺は全国の総国分寺となり、翌年には寺名も金光明寺と改められました。大仏の鋳造が始まった747年頃から東大寺と呼ばれるようになったといいます。
大仏殿が竣工したのが758年で、南大門、中門、大仏殿、講堂や僧房といった一通りの伽藍が完成したのは785年頃です。
当時としてはありえないほどの大規模工事であったことから国の財政状況が悪化し、農民層の負担が激増したことにより平城京内では浮浪者や餓死者が激増するなど負の側面も多々ありましたが、東大寺は都が平安京に移って以降も奈良の有力勢力であり続けました。1181年に平重衡による焼き討ちで大仏殿を含む多くの堂塔が焼失した際には多くの人の支援を受け、そのおかげで1195年には早くも復興が完了しています。
しかし1567年の兵火で主要なお堂が焼失した際にはそうはいかず、何とか立てた仮の大仏殿が1610年に暴風で倒壊すると大仏は露座となり、その状態は現在の大仏殿が完成する1709年まで続きました。
1998年にユネスコにより世界遺産に登録されており、若草山を背景にした大仏殿は奈良を象徴する眺望となっています。
アクセス
交通
近鉄奈良駅より徒歩約20分
興福寺の前の道を春日大社方向へ進み、一之鳥居の前で左折すると南大門に出ます。
地図
近隣の寺社
国宝の大仏殿
「世界最大級」の木造建造物
間口57m・奥行50.5m・高さ46.8mあります。「世界最大の木造建造物」と長らく言われてきましたが、実は20世紀以降に近代的工法で建てられた木造建築には大仏殿を上回る規模のものが存在するようです。そのため「世界最大」ではなく「世界最大級」ということになります。
創建時の建物は1181年の兵火によって焼失し1195年に再建。しかし1567年の兵火で再び焼失してしまい、1709年に再建されたのが現在の建物です。
鎌倉時代の大仏殿は間口が86mあったということですが、江戸時代の再建の際に木材が調達できず、約3分の2に縮小されました。
大仏殿内に鎌倉時代と江戸時代の50分の1模型が展示されており、大きさの違いがイメージしやすくなっています。
さすがにこういう階段は上り下りしたくはありません。
堂内は撮影可能
寺院の堂内は撮影不可という事例が圧倒的多数であるため、カメラをリュックにしまって大仏殿内に入りましたが、周囲の人はみんなスマホで大仏の写真を撮りまくっているではないですか。
「三脚使用禁止」ということは、三脚を使用しなければ問題ないようです。(公式HPに「廻廊内、大仏殿内での撮影は自由ですが、団体・グループでの集合写真の撮影および、三脚の使用はご遠慮いただくようお願い致します。」と記載されていました。)
堂内の仏像
盧舎那仏像(国宝)
言わずと知れた「奈良の大仏」です。やはり迫力が違いました。
高さ14.98mの盧舎那仏は華厳経において宇宙の中心に位置し、大宇宙の存在そのものを象徴する仏とされています。
虚空蔵菩薩坐像(重要文化財)
大仏に向かって左手に安置されており、1752年の完成です。
如意輪観音坐像(重要文化財)
大仏に向かって右手に安置されており、1738年の完成です。
廣目天像と多聞天像
堂内の北西方向に廣目天像、北東方向に多聞天像が安置されています。四天王の残り2体は未完成に終わりました。
鎌倉大仏にはない圧を感じた
高さ11,31mの鎌倉大仏に対して奈良の大仏は高さ14.98mで一回り大きなサイズであり、それだけ高い場所から見下ろされる格好となります。露座である鎌倉大仏は背景が青空になりますが、大仏殿という閉じた空間内にある奈良の大仏は背後に光拝があることもあり、何やら圧のようなものを感じました。
大仏は東大寺だけではない
大仏殿以外の境内の見どころ
東大寺では広大な敷地に国宝や重要文化財が点在しています。見どころは大仏殿だけではありません。
南大門(国宝)
創建時の建物は962年に台風で倒壊してしまい、現在の建物は1199年に再建されたものです。高さは基壇上25.46mもあり、山門としては国内最大です。
中門(重要文化財)
大仏殿の手前にある楼門で、1716年に再建されました。両側に延びる回廊も重要文化財です。
鐘楼(国宝)
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大仏殿から二月堂に向かって坂を上る途中にあり、建物は鎌倉時代に再建されたものです。
吊り下げられている鐘は大仏開眼と同年の752年に鋳造されたもので、東大寺創建時の姿をそのまま現在まで伝えています。中世以前に造られた鐘としては日本最大で鐘声の振幅が非常に長く、「奈良太郎」と呼ばれています。
念仏堂(重要文化財)
1237年建立で元々は地蔵堂と呼ばれており、地蔵菩薩坐像(重要文化財)を祀っています。
閼伽井屋(重要文化財)
念仏堂から二月堂に向かって坂を上がる途中にあり、現在の建物は13世紀初頭に再建されたものと考えられています。堂内の井戸で汲んだ水を二月堂の「お水取り」で使用します。
二月堂(国宝)
旧暦の2月に「お水取り」が行われることからこの名前になっています。大仏殿が焼失した2度の火災を乗り越えましたが、1667年のお水取りの際の失火で焼失してしまい、2年後に再建されて現在に至っています。
建物の西側は急斜面になっており、懸崖造りで立てられています。舞台に上がるには南北に設けられた石段を上がります。
北側の石段は長谷寺の登廊のように屋根が設けられています。
本尊は大観音(おおかんのん)、小観音(こがんのん)と呼ばれる2体の十一面観音像で、どちらも何人も見ることを許されない絶対秘仏です。
舞台に立つと、東大寺大仏殿の大屋根や奈良市街、生駒山を眺望することができます。
お水取りの際の映像です。1270年間一度も途絶えることなく続いてきた行事ですが、お堂が焼けてしまったのもある意味当たり前だと思います。
三昧堂(重要文化財)
法華三昧会が旧暦の4月に開催されていたので四月堂とも呼ばれています。創建は1021年、あるいは1067年と言われており、江戸時代の初期に解体修理が行われたようです。
法華堂(国宝)
旧暦3月に法華会(ほっけえ)が行われることから三月堂とも呼ばれています。寺伝によれば733年の創建で東大寺の建築物のなかで最も古く、数少ない奈良時代建築の一つとなっています。
外観からは想像もつかないほど堂内の天井は高く、本尊の乾漆不空羂索観音立像を中心に10体の仏像が安置されていてそのすべてが国宝です。
その他の国宝建造物
上記の他に本坊経庫・開山堂・転害門が国宝に指定されています。
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