出雲の粟津稲生神社(あわついなりじんじゃ)は朱塗りの鳥居と線路で有名な神社で、電車の通過時は鳥居の前を電車が横切ります。
御朱印
近隣の大土神社の隣に社務所があってそちらで頂けるという事前情報があったのですが、大土神社の周辺をいくら探してもそれらしいものは見つかりませんでした。残念ながら今回は御朱印はありません。
「稲生神社」と名乗る由緒
粟津稲生神社は一畑電車大社線の高浜駅と遥堪駅の間の線路沿いにある神社です。約3万社あると言われる稲荷神社の中で、「稲生」の字を使用しているのは全国でも約20社しかないといいます。
祭神は倉稲魂神(うかのみたまのかみ)・稚彦霊神(わくむすびのかみ)・有気持神(うけもちのかみ)の三神で、伏見稲荷大社から分霊を勧請して祀ったと言われていますが記録の流失により詳細は分かっていません。
1687年の記録に「八幡宮(大土神社のこと)ノ末社粟津村之内に若宮之神社御座候云々」とあるのが最も古く、この頃には既に存在していたことは間違いないようです。1759年の記録に「稲生大明神社 但称号若宮社」と言う記述が出現し、1761年の棟札に「奉建立稲生大明神一次成就」と記されていたそうです。恐らくこのあたりで稲生神社としての社殿が建てられたのでしょう。
霊験あらたかな神社としてその名は広く知られていたようであり、「稲生神社の祭日は遠近を問わず参詣する群衆の数がおびただしい」という1764年の文書が残されています。
もともとは大土神社の末社でしたが、現在は独立した神社となっています。
1992年にすぐ近隣に出雲ドームが建てられました。
アクセス
交通
一畑電車大社線高浜駅より徒歩約10分
高浜駅は絵にかいたような無人駅で、電車の乗り降りには特有のルールがあります。
電車が来るのは基本的に1時間に1本のようです。40分着の出雲大社前行電車で下車すると25分頃に川跡・電鉄出雲市行電車が社殿前の踏切を通過します。それを見届けてから駅に戻れば次の40分着の電車で出雲大社に向かうことができます。
駐車場
近隣の方のご厚意で駐車場が用意されているようです。マナーを守ってトラブル等発生しないようにしましょう。
地図
粟津稲生神社の境内
観光ガイドでは必ず取り上げられる神社なので存在自体はずいぶんと前から知っていました。アクセスがめんどくさそうだったのでこれまで訪れることを躊躇していましたが、今回初めてお参りしてみました。
社号標
鳥居
田園風景の中に朱塗りの鳥居が並ぶ光景は圧巻です。京都の伏見稲荷大社の影響でしょうか。
大鳥居
拝殿
本殿
社殿によれば現本殿の造営は文政三年(1820年)で平成元年の遷宮の際に改築されたとされています。
境内を電車が横切る寺社
鳥居の前を電車が横切る
粟津稲生神社は参道の途中に一畑電車の踏切があり、ここを電車が横切ります。
線路を敷設する際にどうしても迂回することができず、神社と協議のうえで鳥居と社殿の間を通したようです。
そのため神社の参道を電車が横切る光景を概ね1時間に2回見ることができます。
電車の中からはこのように見えました。
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