法隆寺の御朱印は2種類です。「和を以て貴しと為す」と美しい書体で直書きされています。境内は世界最古の木造建築物群で、五重塔や金堂、夢殿など見どころでいっぱいです。奈良の中心部から離れているのでアクセスは少々厄介です。
- あの有名な一節を記した直書き御朱印
- 電車とバスによるアクセス
- 西院伽藍と東院伽藍の2つで構成されている
- 五重塔や金堂が見どころの西院伽藍
- 西院伽藍から東伽藍へ
- 夢殿が見どころの東院伽藍
- 心の底からワクワク感が湧いてきた
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あの有名な一節を記した直書き御朱印
御朱印所
法隆寺の御朱印は西円堂(上)と聖霊院(下)の2か所で頂けます。全て直書きで、特に聖霊院では「以和為貴(和を以って貴しと為す)」という17条憲法の有名な一節が記されます。
志納金 300円
御朱印
西円堂
力強い書体で「峰薬師如来」と記された御朱印を頂きました。
聖霊院
「和を以って貴しと為す」と華麗な書体で記されています。
電車とバスによるアクセス
交通
JR関西本線法隆寺駅徒歩約20分
※駅前より「法隆寺参道」行バスが1時間に3本の頻度で運行されています。
近鉄筒井駅より「JR王寺駅」行バス「法隆寺前」下車
「薬師寺駐車場」より「法隆寺前」行バス終点下車
※ガイドブックでは薬師寺→法隆寺が定番ルートとして紹介されていましたが、1時間に1本なので時間に注意してください。
地図
周辺の寺社
西院伽藍と東院伽藍の2つで構成されている
法隆寺は7世紀に創建された聖徳太子ゆかりの寺院で、金堂や五重塔を中心とした西院伽藍と夢殿を中心とした東院伽藍の2つで構成されています。
601年に聖徳太子が斑鳩宮を造営し、そこに亡き父である用明天皇のために建てた寺院が法隆寺で607年ごろに完成しました。622年に太子が亡くなったのちは彼を慕う人々によって寺は維持されますが、670年に発生した火災によって全焼してしまいます。
その後すぐに再建されたのが現在まで残っている法隆寺で、少なくとも金堂は693年まで、五重塔、中門を含む西院伽藍全体も711年までには完成していたと考えられています。
その後大講堂や鐘楼、南大門が個別に焼失するような火災はあったものの全山を失うような大火災には遭っておらず、多くの建物が飛鳥時代に創建された姿をそのまま現在まで伝えています。そのため西院伽藍は「世界最古の木造建築物群」とされています。
一方、738年に高僧の行信が荒廃していた斑鳩宮に太子を偲んで夢殿を建て、これが現在まで伝わって東院伽藍となっています。
五重塔や金堂が見どころの西院伽藍
南大門(国宝)
創建時ものは1435年に焼失し、現在の建物は1438年に再建されたものです。
中門(国宝)
飛鳥時代の建物で、西院伽藍の本来の入口です。
左右の金剛力士像は日本最古の仁王像とされています。
柱は両端が細くて下から三分の一くらいが太いという独特な形状でした。
回廊(国宝)
飛鳥時代の建物で、金堂と五重塔を囲んでいます。
経蔵(国宝)
奈良時代の建物です。
鐘楼(国宝)
925年に落雷により焼失し、現在の建物は平安時代に再建されたものです。
金堂(国宝)
670年の火災の後に少なくとも693年までに再建されたものです。1949年に壁画模写作業中の火災により初層内陣の壁と柱を焼損しましたが、解体修理中だったので最小限の被害にとどまりました。
右側の入口から内部に入ることが可能で、釈迦三尊像(国宝)・薬師如来坐像(国宝)・四天王立像(国宝)といった仏像を鑑賞できます。焼失した壁画を忠実に再現したものが壁にはめ込まれていました。
五重塔(国宝)
高さは32.55mで木造五重塔として世界最古のものです。地震国である日本にあっても1300年以上倒壊することなく創建時の姿を現在にとどめています。
大講堂(国宝)
925年に焼失し、990年に再建されました。
西円堂(国宝)
西院伽藍北西の小高い丘の上にあります。行基により718年に建てられ、現在の建物は1250年に再建されたものです。
三経院・西室(国宝)
鎌倉時代の建物です。
聖霊院(国宝)
鎌倉時代の建物で、聖徳太子像(国宝)を祀っています。
東室(国宝)
法隆寺に住む僧が生活していた場で、飛鳥時代の建物です。
綱封蔵(国宝)
寺宝を保管する蔵で平安時代の建物です。
食堂(国宝)
奈良時代の建物でもともとは寺務所でしたが、平安時代になって僧が食事をする食堂(じきどう)として使用されました。
大宝蔵院
西院伽藍を拝観した後に誘導される場で、1998年に完成しました。内部に百済観音(国宝)を祀っています。
東大門(国宝)
奈良時代の建物で、西院と東院の途中にありまます。
国宝建築物を堪能する
西院伽藍から東伽藍へ
西院伽藍から東院伽藍へは約400mの直線路で結ばれています。
実際に歩いてみた動画です。
夢殿が見どころの東院伽藍
夢殿(国宝)
奈良時代建立の八角円堂で、堂内に聖徳太子の等身像とされる救世観音像を祀っています。
聖徳太子と夢殿といえばこれまで何度もお札に描かれてきました。
昭和生まれの私にとっても1万円札といえば福沢諭吉ではなく聖徳太子というイメージがまだ強く残っています。夢殿は透かしのモデルとして使用されています。
伝法堂(国宝)
奈良時代の建物で、聖武天皇の夫人の仏堂に改造したものです。
鐘楼(国宝)
鎌倉時代の建物で奈良時代の梵鐘が吊るされています。
心の底からワクワク感が湧いてきた
古都奈良の寺社といえど過去に何度も火災に遭っていることが多く、たとえ国宝建築物といっても鎌倉や室町に再建されたという事例がほとんどです。奈良時代の建物が数多く残っている唐招提寺でも「違い」というものを感じましたが、飛鳥時代の伽藍がほぼそのまま残っている法隆寺は「目に映る物のすべてが国宝」といっても過言でなく、境内は見どころだらけで格の違いを感じました。
南大門をくぐったばかりのこの時点でもう別世界であり、心の底からワクワク感が湧いてきました。
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