ニッカのフロム・ザ・バレルの5種類の飲み方を徹底比較しました。濃厚で口当たりもよく、ストレート・ロック・水割り等のどの飲み方でもいいようです。
何となく敬遠しているうちに店頭から姿を消した
フロム・ザ・バレルが発売されたのは昭和60年です。
ウィスキーとしては珍しい四角いボトルが印象的で私も当初からその存在を知っていましたが、アルコール度数51.4度という高さから舌と喉が焼けそうな先入観があり、何となく敬遠しているうちにいつの間にか酒屋の店頭から姿を消してしまいました。
ここ数年来のウィスキーブームに伴う原酒不足に対応するため多くの商品が販売終了になり、その中でフロム・ザ・バレルも終わったものだと勝手に思っていましたが、先日たまたま聖蹟桜ヶ丘の成城石井で鍵のかかった棚の中にあるのを発見しました。
フロム・ザ・バレル2つの特色
ブレンド後に再び樽詰めする「マリッジ」製法
フロム・ザ・バレルのバレルはウィスキーを貯蔵・熟成する樽のことで、「樽から汲み出したまま」ということを強調した商品名となっています。
一般的なブレンデッドウィスキーはモルト原酒とグレーン原酒をブレンドし、ボトル詰めして出荷します。それに対してフロム・ザ・バレルはモルトとグレーンをブレンドし、さらにもう一度樽詰めして数ヶ月間再貯蔵します。この製法を「マリッジ」と呼び、これにより個性の違う様々な原酒がまるで結婚したかのように深く馴染み合い、それによって調和の取れた美味しさが生まれます。
瓶詰め前の加水を最小限度にとどめた
ブレンドを終えたウィスキーは通常は加水してアルコール度数が40度程度になるよう調整しますが、フロム・ザ・バレルはこの加水を最小限にとどめることで51.4度という高いアルコール度数となり、「樽から汲み出したまま」の味わいを楽しめるようになっています。
キリンの「富士山麓」が50度ですから、私が飲んできた中で最も度数の高いウィスキーです。アルコールが喉を刺激して何度もむせ返ることになった富士山麓に対し、フロム・ザ・バレルではいったいどうなるのでしょうか。
ストレート
フルーティーな味と香りです。アルコール度数の高さの割には滑らかな口当たりで、意外な飲みやすさに驚かされました。大変に強い酒ですがスルスル飲めます。
ロック
ステアしている段階でグラスから香りが立ち上ってきました。氷を加えてもまるでストレートであるかのような強さを感じますが、口当たりは滑らかで荒々しさは絶無であり、意外に甘いです。
水割り
次いで水で割ります。
併せる水は箱根の森の天然水です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
十分にストレートといっても通用してしまう強さです。口当たりは一段と滑らかでスモーキーさを感じられるようになりました。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
嘘のように滑らかになり、スッキリ爽やかな甘さが感じられるようになりました。それでも味は重厚です。
ハイボール
上戸彩さんのCMで有名なソーダストリームを使用してつくった私好みの炭酸水を使用します。
フルーティーさがより深くなり、バランスの取れた味わいとなりました。炭酸の酸味がよく合っていたと思います。ほろ苦さも感じられるようになりました。
アルコール度数からは考えられない滑らかな味わい
高いアルコール度数からは考えられないような滑らかな味わいで、また香りも豊かでした。ウィスキーブームに伴う原酒不足問題が解決し、フロム・ザ・バレルやブラックニッカスペシャルのような酒が再び多くの店の店頭に並ぶ日が来るのが待ち遠しくて仕方ありません。
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