今回はベルギービールのシメイ・ブルーをご紹介します。瓶内二次発酵という特殊な製法で造られて長期間熟成されたビールで、アルコール度数が9度ということもあり、これまで飲んだことのない味わいでした。
ビール大国であるベルギー
ベルギー人は1杯のビールを1時間かけて味わう
ベルギーはドイツと並んでビール大国として知られています。ビールを味わい人々と交流する場であるビアカフェが国内に約3万軒あり、これは人口300人に1軒という割合となっています。イギリスを歩いているといたるところにパブがありますが、こちらは725人に1軒ということですからベルギー人のビール好きは相当なものであることがわかります。
「1hour Beer」という言葉があり、1杯のビールを1時間かけて味わうという飲み方をしているので消費量としては思ったほど多くなく、「2016年国民1人あたりのビールの年間消費量(キリンビール調べ)」によると67.4Lで何と世界27位です。ちなみに日本人は世界54位で1人41.4Lということです。1位はチェコの143.3 Lで2位ナミビアの108 Lを突き放しダントツとなっています。
銘柄ごとに多種多様な味わいで、それぞれ専用グラスがある
ベルギーは緯度が高くブドウ栽培に向いていなかったこともあって古代からビール造りが行われてきましたが、ドイツやチェコと違って良質のホップがとれず、そのためハーブやスパイス、フルーツを使用した醸造法が近年まで受け継がれてきました。色、味、香りからアルコール度数まで様々で、おかげで多種多様なビールを味わうことができます。
銘柄ごとにロゴや独自の形をした専用グラスがあり、グラスの違いで味わいに歴然の差がでると言われています。実際ベルギービールを多く扱っている店ではボトルの隣にグラスが当たり前のように置かれていますが、そこまで手を出すと我が家の食器棚がとんでもないことになるのが確実で、今回は見送ります。
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マイケルジャクソンも愛飲したシメイ・ブルー
シメイはベルギーのシメイにあるスクールモン修道院で醸造されているビールで、世界に171ヶ所あるトラピスト会修道院の内11ヶ所のみで生産されるトラピストビールです。
熱処理も濾過もせず、瓶詰直前に新鮮な酵母を加える「瓶内二次発酵」が特徴で、特にシメイ・ブルーは熟成させることで味が大きく変化するビールとして知られています。
ラベルには製造年が入っており年によって味が違うとされ、かつてマイケルジャクソンは「シメイ・ブルーは5年は寝かせた方が良い」と言っています。適温は10℃~12℃ということで冷やし過ぎない方がいいようです。
尚、シメイの販売による利益は修道院の活動と地域の開発に充てられています。
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滑らかな舌触りで豊かなコクが印象的だった
シメイ・ブルーはアルコール度数が何と9度です。あの「インドの青鬼」でも7度ですから私がこれまで飲んできた中で最も強いビールということになります。
座間のイオンモールでもシメイ・ブルーの専用グラスはありましたが、今回はいつものグラスで飲むことにします。
シメイを飲む際は酵母が乱れないように最初からゆっくりと注がなければなりません。勢いよく注ぐとグラスのほとんどが泡となります。
泡が落ち着くまで待ちます。
再びゆっくりと注ぎます。
再び泡が落ち着くのを待ちます。
最後にゆっくりゆっくり次ぎます。今回もいい感じの泡になりましたが、きめの細かさは驚くばかりです。
高いアルコール度数のせいかのどと胃が熱くなるのを感じますが、強烈さのようなものはありません。滑らかな舌触りで豊かなコクが印象的で、後味が日本のビールとまったく違っており、かすかにフルーティーさを感じました。
ベルギービールのイメージと実際
ベルギービールというとすべてこのような特殊な製法であるようなイメージがありますが、実は全消費量の70%は下面発酵のラガータイプというごくごく普通のビールです。しかしそれ以外のタイプが30%も占めているということが自体が異例であり、その結果日本ではこの30%を称してベルギービールと呼ぶようになったようです。
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