「手打麺や大島」は麺も出汁も完璧で、間違いなく香川で一番美味い店だと思います。高松市を代表するベッドタウンの真ん中の店で、食器の片づけまで自分でやる「真のセルフ」です。
高松市のベッドタウンのど真ん中の店
「手打麺や大島」は高松市の太田下町に位置するうどん店です。
ことでんの太田駅を中心とした太田上町・太田下町は元々農村だった場所がそのまま宅地化され、交通の便にも恵まれていることもあって住宅が集中し、今や高松市内でも有数のベッドタウンとなっています。
このあたりが市街地と郊外の境となっているようで、太田駅を過ぎるとことでんは単線になります。
私が1995年から96年にかけて住んでいたのもこの街で、太田駅のすぐ北側にあったこの場所は当時は近隣住民が公然とバラストの上を歩いて線路を横切る「勝手踏切」でした。30年近く経過して再び訪れてみると、踏切道・警報機・遮断機が完備されたちゃんとした踏切になっているではないですか。
当時私が住んでいた某タイヤメーカーの社宅は跡形もなくなって戸建て住宅に変わっていました。
閉店する老舗の名店を引き継いだ
店主の実家は太田上町にある「大島うどん」で、現在手打ち麺や大島がある場所にはかつて別の老舗うどん店がありました。閉店が決まったことから現在の店主が実家を出て店を引き継ぐことになり、前店主と一ヶ月一緒に働くことによりうどんの製法や出汁の取り方も受け継いだといいます。そうやって以前からの常連客を納得させ、その上で少しづつ自分の思う理想のうどんに近づけているそうです。
私が初めてこの店を訪れたのは一昨年の12月で、完璧な麺と出汁の味わいに仰天し、「香川で一番美味い店なのではないか」と感じました。そんな店を再び訪れたのはその時の感覚が正しかったのか否か、その答え合わせをするためです。
出汁も麺も素晴らしい感動的な美味さ
手打ち麺や大島は住宅街のど真ん中に位置しており、9時半の開店前から列ができていました。
開店と同時に人々が店内に流れ込んでいきます。
手打ち麺や大島にメニューはなく、店に入ると「何玉食べますか？」とだけ聞かれます。（しっぽくは季節限定です。）
食べたいだけの数を言うとどんぶりにその数だけうどん玉を入れて渡してくれるので、自分でテボに入れて湯煎して温め、自分で出汁をかけます。湯煎は10秒くらいがいいと思います。
店内はカウンター席とテーブル席で合計40席。落ち着いた雰囲気だったので、地元の常連客が中心であるように感じられました。
うどん一玉です。
サイドメニューはちくわ天です。
やはり実家のうどんがベースとなっているのか、太麺でありながら滑らかで口当たりがいいのは大島うどんと同様です。こちらではそれに加えてモチモチ感とツルツル感があり、出汁が絡んだ麺が口の中の粘膜に吸い付いてくるようでした。
程よいコシや弾力のある麺の良さをイリコの旨味が程よく凝縮された出汁が引き出しており、感動的な美味さでした。
食べ終わったら右端の箱に割り箸を捨て、残った出汁はその隣のかご、そしてどんぶりと皿はシンクの中央に沈めましょう。かつてセルフの店ではここまでやるのが当たり前でしたが、現在ではこちらだけになっています。
香川で一番美味い店だと思う
山越や谷川米穀店、手打ち十段うどんバカ一代といった有名店は数多くの媒体で取り上げられており、ネット上で検索すれば数多くの情報にヒットします。「手打ち麺や大島」はそれらに比べるとかなり地味な店ですが、味は驚くべきものがありました。
「香川で一番美味い店なのではないか」という前回の感想は間違いではなかったようです。これまで食べ歩いた香川県内のうどん店は今回の旅で60軒くらいになったと思いますが、間違いなくその中で最も美味い店です。
手打ち麺や大島について
主なメニュー
1玉 320円
2玉 420円
3玉 520円
4玉 620円
地図
店舗概要
香川県高松市太田下町3013-1
087-867-2895
営業時間9:30～15:00
定休日 第1･3･5日曜
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