伊勢原の日向薬師(ひなたやくし)では華麗で華やかな書体の御朱印が頂けます。奈良時代に創建されたという伝承を持つ寺院で、重要文化財の本堂は17世紀に建てられた頃の美しい姿をそのまま残しており、絶対に見ておくべき建物です。
日向薬師の優雅な御朱印
御朱印所
御朱印は本堂内左手にあります。
受付時間: 9:00~17;00(4月~10月)
10:00~16:00(11月~3月)
※雨天等悪天候の際はお休みとなるようです
志納金:300円
御朱印帳
日向薬師の御朱印帳は大型サイズで見本を触ってみたところ紙質も良好でした。デザインも良かったので、次の11冊目はこちらにしようかと思っています。
価格:御朱印込みで1500円
御朱印
歴史のある寺院にふさわしい優雅で鮮やかな書体の御朱印です。
過去に頂いた御朱印
平成30年6月22日付です。
日向薬師の由緒
日向薬師は正式には日向山宝城坊という名称となっています。
もともとは霊山寺(りょうぜんじ)といい、多数の坊を擁した修験道場として栄えてきました。寺伝では716年に行基により創建されたとされていますが、境内からは奈良時代にさかのぼる寺院跡は発掘されておらず、実際の創建は10世紀頃と推定されています。
鎌倉時代には幕府要人の信仰を集め、源頼朝が1回、北条政子が2回参詣し、それ以外にも頼朝は政子の安産祈願や自身の歯痛平癒といった目的で度々代参をたてていたといいます。
近世の日向薬師には別当坊の宝城坊を含め13坊があり、それ以外にすでに廃絶した坊もいくつかあったということですから、全盛期には相当な規模の寺院であったことは間違いありません。山内にはそれ以外にも七所権現社や東照宮などもあり、神仏習合の信仰が行われていました。
明治になってからの神仏分離令とそれに伴う廃仏毀釈の嵐の中で多くの堂舎が失われ、本堂、鐘堂、仁王門などをわずかに残すのみとなっています。霊山寺の別当坊(最高位の僧が住む坊)であった宝城坊が寺を引き継いでいます。
アクセス
交通
小田急線伊勢原駅より日向薬師行バスで約20分。終点下車。
地図
日向薬師の参道
参道入り口
ちょうどアジサイが見ごろでした。
本堂までは10数分上りが続きます。
仁王門が見えてきました。
仁王門
仁王門はもともと楼門(ろうもん)造りであったといいますが、1831年に発生した火災により焼失し、規模を小さくして同年中に再建されました。
左右の金剛力士像は仁王門とともに焼失し、1833年に復元されたものです。
日向薬師の森
日向薬師周辺の山林は保健保安林として維持されており、山林が保全されるとともに散策道なども整備されています。
遠くの石段の上に本堂の姿を望みますが、きっとここで息をのむはずです。
絶対に息をのむ日向薬師の本堂
梵鐘(重要文化財)
1340年の銘文を持っています。鐘楼は1763年築と考えられています。
二本杉
足利基氏が幡をかけ、平和と五穀豊穣を祈ったとされています。
本堂(重要文化財)
1660年に幕府から寄進された丹沢の立木百本を使って修造されたのが現存の本堂ですが、柱や梁などにはそれ以前の本堂の古材が再利用されています。
平成22年から7年の歳月をかけて実施した平成の大修理が竣工したばかりです。屋根や彫刻などの部材を一度解体し、修復を施したのち組み直した結果、創建当時の美しい姿を取り戻しています。
大屋根は微妙なカーブを描き、重厚な美しさを見せています。
大屋根の下の龍や獅子、象の彫刻も化粧直しがされ、本堂を飾っています。
神木のぼり
日向薬師では春の例大祭の際のメインイベントとして「神木(しぎ)のぼり」が行われています。これは修験者が峰入の修行の前後に安全を祈願して行った儀式で、明治になって一旦途絶えていたものが昭和49年に復活したものです。
斧で護摩壇を清め、弓矢で四方の邪気を祓い、不動明王の前で剣を振って煩悩を断ち切り、最後に神木に登って祈願分を読み上げます。その後護摩壇の薪木に火が入って火渡りの儀になるというもので、毎年4月15日に行われています。
駐車場についての注意点
日向薬師にはバス停隣接駐車場と境内入り口駐車場の2ヶ所の駐車場があります。
バス停隣接駐車場は奥に張ってあるロープの向こう側ですが、手前の「一般車進入禁止」という看板が気になって通り過ぎてしまいがちです。進入禁止は手前だけで奥は進入可能で、バス停の裏側の店の奥に入り口があるのでそこから入ってください。
バス停隣接駐車場を通り過ぎると薬師林道を七沢方面に登り、境内入り口駐車場に入るしかありませんが、寺院の上部にあるため参道や仁王門を通ることなく直接本堂に到着してしまい、面白さに欠けます。
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