香川の根香寺(ねごろじ)では力強い書体のいかにも仏教寺院らしい御朱印をいただけます。四国八十八ヶ所霊場の第八十二番札所で瀬戸内海に張り出した五色台の中腹に位置しており、近隣からは瀬戸内海の見事な眺望を楽しめます。牛鬼伝説が残る境内は紅葉の名所で、心霊スポットでもあります。
根香寺の御朱印
御朱印所
根香寺の御朱印所(納経所)は本堂へと上がっていく石段の中ほど(本堂に向かって左手)にあります。
四国霊場の納経所の受付時間は基本的に7時~17時です。
志納金300円
※四国八十八箇所霊場の納経料は2024年4月1日より500円に値上げされました。
御朱印
極太の大変に力強い書体のいかにも仏教寺院らしい御朱印です。四国霊場の御朱印に日付は入りません。
根香寺の由緒
寺伝によれば9世紀初頭にこの地を訪れた弘法大師が五色台の五つの峰を密教の修行にふさわしい台地であると感じ、青峰に「花蔵院」を建てて五大明王を祀ったことが根香寺のきっかけとされています。
832年に円珍がこの地を訪れた際に山の鎮守である市之瀬明神の化身の老翁から神託を受けて「千手院」を建て、霊木で刻んだ千手観音像を安置しました。この霊木は香木であったことから切り株から芳香を放ち続け、そのため花蔵院と千手院の2院を総称して根香寺と呼ばれるようになったといいます。
戦国時代には兵火によって衰退しますが、江戸時代に入ってから高松藩主の支援を受けて再興しました。現在では四国八十八ヶ所霊場の第八十二番札所に指定されています。
牛鬼伝説
その昔、青峰には人間を食べる恐ろしい怪獣である牛鬼が棲んでいたという伝説があります。
村人は弓名人山田蔵人高清に牛鬼退治を依頼しましたが、なかなか牛鬼が現れません。高清が根香寺の本尊に願掛けをしたところ21日目に牛鬼が現れ、見事に矢を命中させました。高清は牛鬼の角を切り寺に奉納し、その角は今でも寺に保存されているといいます。
私は見落としてしまいましたが、山門外左側の林の中に青銅製の牛鬼像が安置されているそうです。
アクセス
国の史跡「根香寺道」
根香寺は五色台と呼ばれる高松と坂出にまたがって瀬戸内海に張り出した台地で、青峯峰中腹の標高約365m付近に位置しています。
五色台を巡る道路沿いにあり、付近からは瀬戸内海の見事な眺望を楽しむこともできます。
また白峯寺と根香寺の間には歩き遍路で使用された道が未舗装の江戸時代前期の姿のまま残されており、国の史跡に指定されています。
地図
◆近隣の四国霊場
紅葉の名所である境内
山門
この辺りは香川県を代表する紅葉の名所で、見ごろになると周辺道路に渋滞が発生するそうです。
参道
山門をくぐると緑に包まれた神秘的空間を参道が抜けていきます。25段下ってから平坦な道を進みます。谷保天満宮にもありましたが、下りの階段というのは大変に珍しいです。
平坦な道を抜け、今度は上り階段を135段上がると本堂に至ります。
山門から本堂に到達するまでの動画です。
大師堂
弘法大師像を拝観できます。
六角堂
1979年に建てられたもので、延命地蔵尊を祀っています。
竜宮地蔵堂
海中より網で引き揚げられた地蔵石像を祀っています。
梵鐘
1685年の作です。
本堂拝殿
本堂に向かって延びる回廊には全国の信者から奉納された木製の観音像が約三万三千体並べられています。
本堂
本尊の木造千手観音立像は国の重要文化財です。33年に一度御開帳となる秘仏で、次回は2036年の予定です。
心霊スポット
五色台全体が香川県を代表する心霊スポットとされており、その中でも特に根香寺は「白い着物の女性の霊が出る」「門の横の公衆電話(現在は撤去)から電話を掛けると死者につながる」「丑三つ時に鐘を撞くと呪われる」等々、様々なうわさ話が残されています。
日本各地に残る言い伝えでは牛鬼は女性に化けるというものが多く、根香寺に残る牛鬼伝説が関係しているかもしれません。
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