横須賀の軍港巡りクルーズをご紹介します。横須賀でも空母ロナルドレーガンをしっかり見ることができる場所はクルーズ船の上しかありません。最新鋭の艦船を間近で見ることができるということで人気ですが、何が停泊しているかは当日の運次第です。
- アメリカの世界戦力の中で重要拠点の横須賀
- 陸からは見えない場所に多くの艦船が停泊している
- アメリカ海軍のイージス艦
- 原子力空母「ロナルド・レーガン」
- 横須賀消磁所
- 船越地区(長浦港)
- 新井掘削水路
- 吉倉桟橋
- 海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」
- 潜水艦
- 何が見えるかは運しだい
アメリカの世界戦力の中で重要拠点の横須賀
横須賀は呉や舞鶴、佐世保と並ぶ旧日本海軍の重要な拠店で、現在では在日米海軍の施設と海上自衛隊の司令部が置かれています。アメリカの世界戦略においても特に重要な拠店の一つとなっており、平成17年にジョージ・ワシントンが配属されて以降、現在に至るまで外国にある唯一の原子力空母の母港となっています。
現在11隻あるという原子力空母の配備に関し東海岸6隻、西海岸4隻、横須賀1隻という配置は完全に固定化されており、今後世界情勢や大統領の方針が大きく変わることはあったとしても、当分の間変更される見込みはないといいます。
横須賀基地は厚木や横田と同様にイベントの際に内部が公開されていますが、それとは別に港内をめぐるクルーズが運行されており、艦船を間近で見ることができるということで人気になっています。
厚木基地のイベントの後ふとこのことを思い出し、幸いにも予約を取ることができたので参加してきました。
軍港巡りの詳細はこちらをご覧ください。
YOKOSUKA軍港めぐり | 【TRYANGLE WEB】YOKOSUKA軍港めぐり / 無人島・猿島 / ヨコスカBBQ のトライアングル
陸からは見えない場所に多くの艦船が停泊している
横須賀基地は中央部の吾妻島を挟んで手前の横須賀本港と奥の長浦港に分かれており、この二つを水路で結んでいます。
横須賀本港が米軍施設で長浦港が自衛隊の施設となっており、クルーズ船乗り場から見て右手が米軍、左手が自衛隊というのがざっくりとした見分け方です。(潜水艦だけ例外)
右手に潜水艦、正面に護衛艦、左手にヘリコプター搭載型護衛艦の「いずも」(写真では小さいが実際は巨大)の3隻だけ見えますが、ここから見えない場所に数多くの艦船が停泊していました。
クルーズ船は2階建てになっており、私は右も左も見えるように2階の最後尾を確保しました。
乗船開始の時には大変な列になっているため、狙っている席がある場合は早めに並ぶようにしましょう。(私は前便の出向直後に並んだ)
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アメリカ海軍のイージス艦
スタートしてすぐ右手に出現するのが米海軍のイージス艦です。艦橋の左右にある六角形のボードの奥に回転しない板状のレーダーが設置されており、遠くの敵機を正確に探知できる索敵能力、迅速に状況を判断・対応できる情報処理能力、一度に多くの目標と交戦できる対空射撃能力が備わっています。
どうやら全世界に約100隻あるイージス艦のうちの約8割をアメリカが保有し、そのうち約10隻が日本に配備されているようです。(次に登場する空母を護衛するため)
原子力空母「ロナルド・レーガン」
12号バースには原子力空母「ロナルド・レーガン」が停泊していました。距離があったためそれほど大きく感じませんが、全長333mということで東京タワーとほぼ同じ長さで、20階建てのビルとほぼ同じ高さです。一度出航すると半年は戻ってこないということで、今回見ることができたのは幸運だったのかもしれません。
船というものはバランスのため左右対称になっているのが普通で、空母のこの形状には強烈な違和感があります。
空母の艦載機は基本的に入港前に国内の拠点(岩国・厚木)に移動するのですが、この日は1機だけ甲板上に置かれていました。
横須賀消磁所
ほとんどの船は鉄製であるため長期間使用すると地磁気の影響で強い磁力を帯びるようになり、機雷に反応してしまうリスクがあります。軍艦は不必要な磁力を船体から定期的に除去する必要があり、そのため吾妻島の奥に設けられているのが横須賀磁消所です。こちらで船体の磁力を測定し、逆向きの磁気を当てて打ち消します。
この日はこの辺りから東京スカイツリーが見えましたが、これは大変に珍しいことのようです。
船越地区(長浦港)
島の裏側に回ると数多くの海上自衛隊の艦船が停泊していました。
掃海母艦「うらが」です。ヘリコプター用の掃海具を搭載している他、機雷付設能力も持っています。
奥から汎用護衛艦「いかづち」「あまぎり」「ゆうぎり」です。
海洋観測艦「しょうなん」で、塩分濃度や潮流などの一般海洋観測を行っています。塩分濃度は潜水艦の性能に大きく影響し、潮流は魚雷の精度にとって重要です。
掃海艦の「はつしま」「ひらど」「あわじ」で、海中の機雷除去をおこないます。
潜水艦救難母艦「ちよだ」で、浮上できなくなった潜水艦の乗員を救出するための艦です。潜水艦が通常活動するという水面下400~600mは生身の人間がとても生きることができない深さですが、そこから乗員を安全に救出する能力をもっています。
新井掘削水路
長浦港と横須賀本港を結んでいます。もともと吾妻島は半島でしたが、明治時代に移動の便をはかるため旧海軍により掘削され、陸地と切り離された島となりました。重機などなかった時代で完全に手掘りだったようです。
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吉倉桟橋
こちらにも多くの海上自衛隊の艦船が停泊していました。
特務艦「はしだて」(左)で内外の賓客を招いた式典や諸外国の将校団との会議・会食、マスコミやメディア関係者との懇親会などの『迎賓』を目的としており、戦闘は想定していません。
汎用護衛艦「むらさめ」(左)と汎用護衛艦の「てるづき」(右)です。
左から汎用護衛艦「やまぎり」、ミサイル護衛艦「きりしま」、補給艦「ときわ」、汎用護衛艦「たかなみ」です。「きりしま」はイージス艦、「ときわ」はテロ対策特別措置法に基づいてインド洋に派遣され、各国艦艇に洋上で燃料補給を実施しました。かつて「タモリ倶楽部」で護衛艦を取り上げた際、タモリが乗艦したのが「たかなみ」だったと思います。
海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」
全長248mで海上自衛隊最大の護衛艦で、ヘリコプターを14機搭載可能です。敵の潜水艦を捜索する場合は空からの探知が最も有効であり、ヘリコプターを多く搭載できればそれだけ広範囲を探すことが可能になります。また大災害発生時には救助活動の拠点として活躍することが期待されています。
潜水艦
潜水艦については司令部がアメリカ軍の施設内にあり、横須賀本港の右側に停泊しています。
水面下の部分が約7mあり、全長も80m以上でジャンボジェットなみの大きさがあります。
海上自衛隊の基地で潜水艦を見ることができるのは横須賀と呉だけのようです。
何が見えるかは運しだい
厚木基地の飛行機にしてもそうですが、軍艦にはダイヤというものがないので何が見えるかは当日にならないと分からず、自衛隊の艦船が全部で2隻ということもあったといいます。
私が乗船したのは4月29日の15時の便でしたが、新聞報道によれば翌日の朝には「いずも」は長期訓練に出港したということですので、「いすも」と「ロナルド・レーガン」の両方を見ることができたのは誠にラッキーでした。
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