山寺の名前で知られている宝珠山立石寺(りっしゃくじ)では8か所で11種類の御朱印を頂けます。荘厳で雄大な霊場で境内の階段は1070段あり、五大堂からは素晴らしい絶景を楽しむことができます。
山寺で御朱印を頂く注意点まとめ
御朱印所は事前に把握しておくこと
山寺では宝珠山の山腹に数多くのお堂が点在しており、その多くで御朱印を頂くことができる他、東方向に約1㎞進んだ場所にある山寺千手院でも御朱印を頂けます。全て頂こうとお考えの場合、御朱印を扱っているお堂と位置を事前に把握しておく必要があります。(私は十分に下調べをしたつもりでしたが、1か所もらしてしまいました。)
四寺廻廊の御朱印が別にある
慈覚大師円仁が開山したと伝えられる山寺の立石寺・松島の瑞巌寺・平泉の中尊寺と毛越寺を総称して四寺廻廊(しじかいろう)と呼んでおり、専用の御朱印帳も用意されています。
御朱印所が無人の場合もある
お堂によっては御朱印所に誰もいないという場合があります。備え付けのベルを押しても誰も出てこなかった場合は書置きの御朱印を自分で取ります。
8か所で11種類の御朱印を頂ける
料金は日枝神社のみ500円で、それ以外は300円です。
根本中堂
通常御朱印の他、四寺廻廊の御朱印帳と御朱印も頂くことができます。
御朱印帳(御朱印代込み)1000円 御朱印のみ300円
日枝神社
初穂料として1000円払うと栞・厄除けのお札・御神饌等もいただけます。
性相院
こちらでは性相院と毘沙門天(上)の2種類の御朱印を頂けます。
金乗院
中性院
奥之院
こちらでは如法堂と大佛殿の2種類の御朱印を頂けます。書置きはなく直書きのみです。
華蔵院
こちらでは華蔵院と三重塔(上)の2種類の御朱印を頂けます。
本坊
メインの拝観ルートから外れていて見落としてしまったのですが、こちらでも御朱印を頂けるようです。
山寺の由緒
寺伝によれば山寺は860年に慈覚大師円仁が創建したとされていますが、実際の創建はそれよりも遡るという説もあります。9世紀前半に東国巡錫の途中でこの地を訪れた慈覚大師円仁が荘厳で雄大な景観に心を惹かれ、この地に天台宗東北の霊場づくりを決意したことがきっかけであったことは間違いないようです。
室町時代に戦乱の中で焼き討ちにあって衰えますが、その後に山形城主である最上氏の保護により復興し、江戸時代の初期には広大な敷地に僧房100寺・僧侶300余人を有したといいます。
1689年に松尾芭蕉が奥の細道の旅の途中でこの地を訪れ、有名な「閑けさや 巌にしみ入る 蝉の声」を詠んでいます。
アクセス
交通
仙山線山寺駅徒歩約10分
駅のホーム上から五大堂と開山堂がいい感じに見えました。東京とは明らかに空気が違います。
※仙台から約1時間。東京からだと山形経由よりも仙台経由のほうが早いようです。
地図
1070段の階段で上がる境内
案内マップ
登山口
根本中堂(重要文化財)
1356年に再建されたもので、ブナ材の建築物としては日本最古です。1608年に大修理が行われ、その時の姿を現在まで保っています。堂内には比叡山延暦寺から分燈した「不滅の法燈」があり、信長の焼き討ちにあった延暦寺を再建する際には逆にこちらから分燈されました。
全く気付かなかったのですが、200円の拝観料で内陣参拝ができるそうです。
芭蕉句碑
「閑さや巌にしみ入蝉の聲」と刻まれています。
日枝神社
山寺の総鎮守です。
山門
鎌倉時代の建立とされ、こちらで拝観料を払います。
ここから本格的な上り階段が続きます。山寺の階段の段数については諸説ありましたが、最新の調査によると登山口から奥之院まで1070段なのだそうです。
姥堂
上り階段の途中にあり、ここから下が地獄で上が極楽なのだそうです。
百丈岩
この上に納経堂や開山堂、五大堂があります。
四寸道
右にカーブしている箇所は岩が邪魔をして階段の幅が約14センチで四寸しかないことからこう呼ばれています。
せみ塚
芭蕉の弟子たちが師の遺した短冊を埋めて塚を建てたものです。芭蕉が句の着想を得た場所と考えられています。
弥陀洞
凝灰岩が風雨により長い時間をかけて削られてできたもので、仏の姿に見えるという人には幸せが訪れるとされています。
仁王門
1848年に再建されたものです。
運慶の弟子の手による仁王尊像が左右に安置されています。
性相院
慈覚大師作と伝えられる阿弥陀如来を本尊とし運慶作の毘沙門天を安置しています。
修行の岩場
正面の梯子を渡った先が修行のための行場ですが、転落死するものが多発したため修行者以外の立ち入りが禁じられています。
金乗院
延命地蔵菩薩を本尊としています。
お堂の裏にトイレがありました。参拝客が利用できるものとしてはここが最高所ではないかと思います。
中性院
阿弥陀如来を本尊としています。また正面にはびんずる尊者像が安置されています。
奥之院
参道の終点で最高所に位置しており、正式名称は如法堂です。向かって左手の大仏殿には高さ5mの金色の阿弥陀如来像が安置されています。
三重小塔(重要文化財)
岩の中に高さ約2.5メートルの木造の三重塔がはめこまれています。
1519年につくられたもので、他の塔と同様の工程で組み上げられた全国で最も小さい三重塔とされています。
華蔵院
三重小塔に隣接しており、慈覚大師が開山の際に住んだ場所とされています。
開山堂
江戸時代末期の建物です。木造の慈覚大師の尊像が安置されており、朝夕に食飯と香が供えられています。
納経堂
開山堂に向かって左手の岩の上にある山内で最も古い建物であり、写経を納めています。この真下に慈覚大師が眠る入定窟があります。
五大堂
五大明王を祀って天下泰平を祈る道場です。
こちらからは素晴らしい眺望を楽しむことができます。
裏スポットにある山寺千手院
御朱印
こちらでは直書きの御朱印を頂けます。
志納金300円
由緒
立石寺の裏スポットのような場所にあり、立石寺と同じく宝珠山を山号とし、こちらも山寺と呼ばれています。立石寺の創建時にあわせてできた寺のようですが、由緒ははっきりしていません。
アクセス
立石寺の根本中堂から東方向に線路に沿って1㎞ほど進んだ場所にあります。
なんと鳥居と境内の間に線路があります。
完全なる「勝手踏切」ですが、どうやらJRにも黙認されているようです。
ここをJR仙山線の電車が通ります。
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