博多の承天寺では書置き御朱印を頂けます。博多の人々が「うどん発祥の地」と信じている寺院で、「饂飩蕎麦発祥之地」以外にも様々な石碑がありました。
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御朱印は堂々たる書体の書置き
御朱印所
承天寺の御朱印は庫裡内の寺務所で頂けます。こちらでは全て書置き対応でした。
受付時間 8:30~16:30
志納金 500円
御朱印
歴史ある寺院にふさわしい堂々たる書体です。
祇園山笠と承天寺
博多駅の博多口側には「博多旧市街」と呼ばれるエリアがあり、歴史的文化財が多く残る寺社町となっています。承天寺はその一角に位置する臨済宗の寺院で、境内と街並が一体化することにより独自の景観を形成しています。
宋から帰国した聖一国師が宋の貿易商・謝国明の支援を受けて1242年に創建したもので、その際に仏法の教義以外にさまざまな宋の文化を持ち帰りました。国師はこの後に上洛して東福寺を創建したことでも知られています。
1241年に博多で疫病が流行した際は聖一国師が町民らに担がせた祭壇に乗り、水をまきながら町中を祈祷して廻って病魔を退散させたといいます。博多の夏祭りである祇園山笠の起源については諸説あり、聖一国師のこの伝説もその中の一つに数えられています。
1936年の博多駅移転に伴って実施された区画整理の際に設けられた市道により境内が北東と南西に分かれました。先の大戦における空襲で山門や勅使門が焼失しましたが、1991年に伽藍が復興整備されました。
アクセス
交通
地下鉄祇園駅下車徒歩約3分
博多駅より徒歩約10分
地図
博多旧市街の名所
境内を市道が貫いている
承天寺通り
境内を抜ける市道により山門や仏殿が南西側、本堂や墓地が北東側に分断されています。
植木や自然石が配されたことで公園のような雰囲気を醸し出し、境内との一体化が図られています。
博多千年門
承天寺通りは博多を訪れた観光客を寺社町エリアへと流すための導線となっており、その入り口にあたる部分に設けられました。
これまでの千年の重さとこれからの千年への期待を込めて命名されました。
山門
勅使門
仏殿
鐘楼
方丈と石庭
門の奥が方丈であるようで、檀信徒以外の立ち入りが禁じられています。
「写真撮影はマナーを守って限られた場所から」ということなので、門から思い切り手を伸ばすと建物と石庭の一部を撮影できました。
「饂飩蕎麦発祥之地」の石碑
博多は独自のうどん文化が花開いた場所で、数多くの店でそれぞれ個性的なうどんを味わうことができます。うどんの食べ歩きをするに際して事前に情報を集めていると「博多はうどん発祥の地」「実は讃岐うどんより歴史がある」等々の記述に何度も出くわしました。
うどんの起源には諸説あって現時点ではそれぞれの優劣などつけようもないはずなのですが、博多の人々がここまで断言してしまう原因はすべて承天寺境内にある「饂飩蕎麦発祥之地」の石碑にあると思われます。
問題の石碑は承天寺通りに面したこの門の奥にありました。
1241年に宋から帰国した聖一国師は饂飩・蕎麦の製法と製粉技術を日本に持ち帰ったとされており、「饂飩蕎麦発祥之地」はこの偉業を後世に伝えるための石碑とされています。
しかし香川では遣唐使として中国に渡った弘法大師が持ち帰ったとされています。それ以外に遣唐使船が寄港地である長崎の五島列島に伝えたという説、8世紀の奈良で食べられていたほうとうに似たものを起源とする説等々、ざっと調べただけでも10種類以上の説がありました。この石碑はちょっとやりすぎではないかと個人的には思っています。
「饂飩蕎麦発祥之地」の隣には「御饅頭所」の石碑があります。
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