浜松町の甚三(じんざ)は讃岐うどんの店では珍しく肉うどんのメニューが充実している店で、「肉系」讃岐うどんとまで呼ばれています。唐辛子やブラックペッパーをかけて食べることが奨励されていますが、驚いたことに全く違和感がありませんでした。
「丸香」で修業した店主が開いた「肉系」讃岐うどんの店
甚三は名店として知られる神保町の丸香(個人的には東京で一番の店だと思っている)で修業した店主が平成27年にオープンさせた店で、香川の製粉会社から取り寄せた粉を使って店内で製麺し、だしをとる煮干しは瀬戸内海産、醤油やねぎまで香川から空輸したものを使っており、まさにこだわりの塊のような店となっています。
甚三は「自家製讃岐うどんと肉」と強調しているように、肉うどんに力を入れた店になります。
こちらでは安全にもおいしさにもとことんまでこだわって育てた、千葉県産の銘柄豚である林SPF豚のバラ肉を使用しています。
豚は出産で母親の産道を通る際に豚特有の病原菌に感染しますが、林SPF豚では子豚を帝王切開で取り出すことにより病原菌を遮断するため、安全で健康な豚を育てることが可能になります。
またビタミンのたっぷり入った専用飼料で育てており、その分だけ脂身が美味しい肉になっています。
香川県内の店以上に香川産にこだわっていた
今回は牛肉うどん≪冷≫中盛を注文しました。
ランチタイムのピークを少し過ぎた時間でしたが、それでも行列に並ばなければなりません。
ちなみにこちらでは最初に食券を買ってから列に並ぶというルールになっています。
「温かいうどん」「冷たいうどん」がそれぞれ別の食券になっています。また右下あたりにあることが多い「大盛」「中盛」のボタンが最上部にでかでかと存在しています。
「香川で食べるさぬきうどんに少しでも近づけるように」ということで、何から何まで「香川産」を使用しています。和三盆糖とは香川・徳島でとれる本来なら和菓子用の砂糖であり、うどんに使うという話は聞いたことがありません。甚三の香川県産へのこだわりは県内の店舗以上ではないかと思います。
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牛肉うどんとブラックペッパーは驚くほど調和していた
店内には「甚三流肉ありうどんの食べ方」がでかでかと掲示されていました。
一、まずはそのままうどんの風味を味わうべし
二、卓上の唐辛子、ブラックペッパー、天かすを入れ、パンチを効かせて食すべし(うどんにブラックペッパーと思われるかもしれないが、これがよくあう)
番外、余裕があるときはご飯を追加すべし(残った出汁にご飯を入れて天かすを加えると天茶漬けが楽しめる)
と書かれています。
申し訳程度に肉が載っている一般的な肉うどんと違い、何とドンブリの表面全体を肉が覆っています。丸香のだしは一口飲んだだけで「ウォ!」と思いますが、甚三の場合はそこまで強烈ではなく、マイルドで優しい味わいとなっています。うどんはつるつるモチモチとした食感でどちらかというと強めのコシになっており、軟らかく煮込んだ牛肉と絡めると誠に美味でした。
ある程度食べ進んだので、いよいよ天かす、唐辛子、ブラックペッパーを投入します。価値観を根底からひっくり返すような「ガツン」と来る味わいを予想していたのですが、拍子抜けするほど調和がとれた味わいで全く違和感がありませんでした。
「スペシャル」は豚バラ肉の脂身の甘さが印象的だった
後日再び芝を訪れる機会があり、今度は温かい「スペシャル」を注文してみました。
「スペシャル」には豚バラ肉の他に鶏天が三個載っています。食べてみると豚バラ肉の甘さに驚かされましたが、この甘さこそが脂身の味なのかもしれません。麺は冷たい牛肉うどんでは強めのコシを感じましたが、温かいうどんでは食感も舌触りも柔らかでありながらモチモチとした弾力がある、ちょうど私好みのうどんとなっていました。
テーブルに置かれたブラックペッパーのミルが異彩を放っています。
ある程度食べ進んだので、今回も天かす、唐辛子、ブラックペッパーを投入します。ガツンとした味わいを求めて前回よりも大量に加えたつもりですが、これだけ加えても私にとっては「程よい刺激」にとどまっていました。ただしこれにより豚バラの甘さがより引き立てられたように思います。
自家製讃岐うどんと肉 甚三
営業時間11:00~15:30(月~金)
11:00~14:00(土曜)※玉切れ次第終了
定休日 日曜日・祝日
あの伝説的メニューがレンジで2分!
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◆店主が修業した場である丸香
◆ブラックペッパーの刺激が印象的だった港屋の「温かい鶏そば」
◆周辺で頂ける御朱印