NGT48の山口真帆さんがファンを名乗る男から暴行を受けた件に関しては運営の説明に対して不動産ライターとして見過ごせない点がいくつかあり、いつも記事を掲載していただいている不動産情報誌に投稿したところ多くの反響がありました。
NGT48騒動について元・不動産会社社員が問題視する2つのこと | Sumai 日刊住まい
事件の詳細に関して第三者委員会の報告書が急遽出されましたので(私は明日だと思っていた)、散り急ぎ私の見解をまとめます。
「本委員会では、SNS、まとめサイト、各メディアの報道記事等に掲載されている情報についても、可能な限り検索し、調査した。」ということですから、私の投稿した記事も読んだのではないかと思います。
https://ngt48.jp/news/detail/100003226
報告書は全体で34ページに渡っていますが、その中から「山口さんの向かいの部屋」に関わる記述を抜粋します。
4P
なお、山口氏は自ら経験した事実ではないが、後日捜査機関から聞いた事実として(中略)⓶「甲は山口氏の部屋の向かいの部屋を借りており(以下略)」という事実を述べている。
7P
(ウ)当該マンションの賃貸状況の確認
当該マンションについては、不動産賃貸会社が運営するウェブサイト上で、当該マンションがマンスリーマンションとして賃貸されていること、本件事件の際、被疑者らが出てきた山口氏の向かいの部屋もマンスリーマンションとして募集がなされていること、当該マンションの部屋のうち、現在どの部屋が空室で賃貸できるかの一覧(部屋一覧)等が表示されていることを確認した。
この点については、甲も「そもそもあそこ、一部屋借りてて。」と述べており、当該マンションの部屋を以前から賃借していたことを認めている。
10P
山口氏の部屋番号などを知っていたことについて、甲は、「相当前からBか誰かから聞いたな」、「握手会とかだから」、「それはもう1年前とか」、「最初どうやって知ったんだろう」などと供述している。
山口氏の部屋番号などを知っていたことについて、甲は、「あとFか」、「Fは相当昔のことだから。俺も何て言ったかわかんないけど。」と供述している。(筆者注 録音テープがあるらしい)
11~12P
なお、被疑者が山口氏の部屋を知るに至った経緯は、本委員会の調査に対する被疑者らの協力もなく、明らかではないが、甲は従前から当該マンションの別の部屋を賃借し、当該マンションに自由に出入りしていたのであるから、山口氏の帰宅を待って後をつけて入る部家を確認したり、郵便受けの中を覗いて郵便物の宛名を確認したり、山口氏が郵便受けから郵便物を取り出すところを見たりするなど、メンバーの関与がなくても、被疑者らは様々な方法で山口氏の部屋を特定することが可能であったといえる。
21P
➂甲が、山口氏の部屋の番号を知った経緯について、相当前に何人かのメンバーに聞いたと述べていること。
22P
ただし、➂ないし⑥については、甲の発言があったことは事実であるが、甲が本委員会の事情聴取に応じていないので、その真意・信用性については確認が取れているわけではない。
まず、寮として借りていたのがマンスリーマンションであったということに驚かされました。
マンスリーマンションは短期間向けの部屋で、出張や研修、それから単身赴任で暮らす人がターゲットになっています。私は実務としてマンスリーマンションを扱ったことはありませんが、きちんとした賃貸物件に比べても様々な点が緩くなっていることは間違いないと思われます。
普通の賃貸物件の場合、客に勝手に下見に行かれたりしないよう、物件情報は「〇〇マンション△階建ての▽階」とぼかした表記をしますが、マンスリーマンションならネット上に部家一覧が出されることもあるかもしれません。
「当該マンションの部屋のうち、現在どの部屋が空室で賃貸できるかの一覧(部屋一覧)等が表示されていることを確認した。」というのは私が「〇〇マンションで空きが出たら教えて、という依頼にまともな社員は応じない」と書いたことに対応しているのかもしれませんが、たとえ部屋一覧があったとしても、山口さんの向かいの部屋をピンポイントで確保するためには山口さんの部屋番号を事前に知っていなければなりません。
「甲は従前から当該マンションの別の部屋を賃借し、当該マンションに自由に出入りしていたのであるからメンバーの関与がなくても山口さんの部屋を特定することが可能」だとし、報告書では様々な手法を紹介していますが、すでに向かいの部屋を確保していたのであればわざわざこんなことをする必要はありません。
当該マンション内のどこかで一旦部屋を確保し、そうした上で委員会が提示したような手法を使って山口さんの部屋を特定し、改めて部屋を借りなおしたということも考えられなくもないですが、一部メンバーとズブズブの関係にあった被疑者がわざわざこんな面倒な手法をとるでしょうか。(もしそうしていたのなら報告書にはっきりと書くでしょう。)
「本委員会の事情聴取に応じていないので、その真意・信用性については確認が取れているわけではない。」ということで、音声テープが残っていることを全て無かったことにしてしまうのはいかがなものかと思います。
いずれにせよ被疑者らは当該マンションに入居する段階で山口さんの部屋番号を把握していたことは間違いないでしょう。
「メンバーの向かいの部屋を運営はなぜ解約してしまったのか?」というもう一つの疑問については全く触れられていないようです。
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