多度津の根ッ子うどんは「温室の中でうどんを食べる店」として知られています。温室を店舗に改造したのではなく最初からうどん店の客席として温室を建てたもので、コシの強い麺と旨味が凝縮した出汁が印象的でした。
温室の中でうどんを食べる店
讃岐うどんの人気店には様々な点で怪しげな雰囲気が漂っているもので、訪れた県外からの旅行客を惑わしたり度肝を抜いたりしています。
店が到底うどん屋に見えない、注文の仕方が店によって違う、注文してもただどんぶりにうどん玉を入れて渡されるだけ、店内に食べるスペースがなく外に並べた椅子に座って食べる等々、香川県に長く住んでいる人でも初めて入る店では面喰うことはよくあるものです。
この点で多度津の根ッ子うどんも相当な店で、こちらは温室の中でうどんを食べる店として知られています。ガイドブックの記述に至ってはこんなものではなく、「ジャングルのような場所」とまで書いている記事もありました。
最初からうどん屋の客席として建てた温室
根ッ子うどんの創業は四国新聞のうどん屋データベース「讃岐うどん遍路」によれば平成元年、「さぬきうどん全店制覇攻略本2022年~23年度版」によれば平成2年と若干の違いはありますが、30年以上続く名店であるというのは間違いないようです。
店名の「根ッ子」は「木が根を広げていくように、お客さんが広くからやってきてくれるように」という願いが込められています。
この角度から見れば普通のうどん屋です。
しかし中央部分から右手は全て温室となっています。
温室の内部です。「ジャングル」というのはかなり盛り過ぎだと思いますが、人気うどん店の客席とはとても思えません。もっとも温室といっても見た目だけで内部には温度を管理する装置は一切なく、そのため夏は暑く冬は寒くなります。
てっきり温室をうどん屋の客席に改造したものとばかり思っていましたが、最初からうどん店の客席として建てたのだそうです。
根ッ子うどんもまた田園風景の中に何の前触れもなくいきなり出現する店で、店の周囲は一面の田んぼでした。
「根ッ子」と記された白い旗が高々と掲げられていますが、かつてこの旗は黄色かったといいます。昔は客席の温室の隣に本物の温室があり、そこでメロンを作っていたからだといいます。
コシの強い麺と旨味の強い出汁だった
店の向かって右側の木造住宅の部分が厨房とレジで、ここでうどんを注文して天ぷらやおでんを取り、お盆を持って温室部分に移動します。
かけうどんの小で、刻んだちくわは全員に付いてきます。
おでんは牛筋煮込みを1本だけ取りました。
麺のコシの強さにまず驚かされました。ツルツルした食感でありながらしっかりとした弾力があり、口とのどで大いなる存在感を発揮しています。旨味が凝縮した出汁は色こそ薄いもののしっかりとした味わいがありました。醤油というよりは塩味が強かったように思います。牛筋煮込みははっきり言って硬すぎました。
根ッ子うどんについて
主なメニュー
かけ小(1玉) 270円
ぶっかけ(小) 290円
天ぷらうどん(小)620円
温玉ぶっかけ(小)340円
地図
店舗概要
根ッ子うどん
香川県仲多度郡多度津町青木565-2
0877-32-3874
営業時間10:30~14:00
定休日 水曜日
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