香川県の長田in香の香(ながたいんかのか)は有名な長田うどんから職人が独立して誕生した店で、「香川の香り」から「香の香」と名付けられました。看板メニューの釜あげうどんは餅のような麺と厚みのある出汁が印象的でした。
いつの間にかもう一つの「長田」ができていた
釜あげうどんとは茹でたうどんを釜からすくってゆで汁とともに器に盛り、熱々の出汁につけて食べるものです。うどんを冷水で締めていないためふわふわモチモチした食感となり、うどん本来の味を楽しめる食べ方とされています。
私が高松に住んでいた1995年~1996年の時期は「長田」といえば讃岐うどんの西の横綱的存在で、釜揚げうどんの名店として知られていました。(東の横綱は屋島のわら家)そのうちに行こうと思っているうちに思いがけず高松から松山へ再度の異動となってしまい、行く機会を失ったまま現在に至っています。
讃岐うどんの食べ歩きを思いついた際に絶対に行こうとまず考えたのが長田ですが、調べてみるといつの間にか「長田うどん」の他に「長田in香の香」というもう一つの「長田」ができていました。
お家騒動で職人が独立した
どうやら長田うどんは先代が亡くなった際にお家騒動が勃発し、店が分裂してしまったようです。
50年以上続いた先代の出汁の味を守るために当時働いていた職人が本家の長田うどんを出て開店したのが長田in香の香です。ネットで調べた情報によると独立したのは長田で出汁をつくっていた人ということで、そうなると先代の出汁を引き継いだのはこちらだということになってしまいます。
そのため今回の旅では長田in香の香の方を訪れることにしました。ちなみに「香の香」とは「香川の香り」ということのようです。
餅のような麺と厚みのある出汁だった
長田in香の香の店は讃岐冨士を望むのどかな場所にあります。
まだ午前中だったにもかかわらず、車のライトを点灯させなければ危険というような天候でした。サンライズ瀬戸を運休させ、山陽新幹線を一時全線運転見合わせに追い込んだ線状降水帯はまだまだ活発に活動しています。
釜あげうどん大(1.5玉)を注文すると、土瓶に入った出汁が運ばれてきました。この土瓶は重いうえに熱々で、知らないと出汁を猪口に注ぐこともできないかもしれません。グレーの取っ手をつかんで土瓶を傾けると出汁が出てくるので、その下に猪口を置きましょう。
こちらは出汁が名物で、冷やしうどんの場合はうどんが運ばれてくる前に出汁を飲んでしまう人が少なからずいるようです。そのため「お一人様一杯で、追加は1杯100円」という張り紙まであります。
うどんはふわふわと柔らかですがしっかりとした食感や弾力もあり、まるで餅のようです。出汁は魚介系つけ麺のつけ汁のごとく厚みがあってザラザラしており、甘辛い味わいで麺の良さを引き出していました。
若干粉っぽさを感じましたが、釜からドンブリに麺を直接引き上げる釜あげなのでこれは仕方ないのかもしれません。
「長田うどん」にも行ってみた
後日再び香川を訪れ、今度は長田うどんの方にも行ってみました。
これをきっかけとして讃岐うどんの食べ歩きに行こう
香川県の魅力は数多くありますが、その最大のものはやはりうどんではないかと思います。「うどん県」を自称しているだけあって無数にある県内のうどん店はどこもハイレベルで、「感動的な美味さ」のうどんにちょいちょい出会うことができます。
讃岐うどん食べ歩きのための完全ガイドをまとめました。
讃岐うどんの特色や食べ歩きをする際の注意点をまとめた他、2021年以降に私が実際に食べた中から39店を星の数でランク分けしています。三ッ星には感動するほど美味かった店を並べました。
釜あげうどん長田in香の香
善通寺市金蔵寺町1180
営業時間9:00~16:00
駐車場160台
定休日 水、木曜(祝日の場合は営業)
★スマホで御覧の方はPCでも見て頂きますと写真がよく見えます
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