九品仏(くほんぶつ)として知られる浄真寺では2種類の御朱印を頂けます。三年に一度「お面かぶり」が開催される境内は見どころに満ちており、広大な墓地もあってご先祖様の供養もできます。
御朱印は2種類頂ける
御朱印所
御朱印は本堂内で頂けます。
志納金300円
御朱印
浄真寺では「九品阿弥陀仏」と「五劫思惟」の2つの御朱印を頂けますが、3年に1度開催される「お面かぶり」限定の御朱印もあります。
九品阿弥陀仏
御朱印にも九体の阿弥陀如来像が描かれています。
五劫思惟
過去に頂いた御朱印
平成29年3月26日付です。
九品仏浄真寺の歴史と「お面かぶり」
九品仏浄真寺は超高級住宅地の世田谷区奥沢に位置していて、おしゃれな街として知られる自由が丘から徒歩15分くらいの距離にあります。
かつての世田谷は吉良家の領地となっており、この地にも奥沢城が置かれていました。豊臣秀吉の小田原攻めの際吉良家は逃亡して奥沢城も廃城となりましたが、1678年に第四代徳川家綱よりこの地を賜った珂碩が浄真寺を開き、既に完成させていた9体の阿弥陀如来坐像を運び込みました。
こちらでは三年ごとに「お面かぶり」の名で親しまれる行事が開催されており、当日は三仏堂(上品堂)から龍護殿(本堂)へ懸橋がかかり、その橋を信者の方々が菩薩のお面をかぶって進みます。
アクセス
交通
大井町線九品仏駅徒歩約4分
東急大井町線の「九品仏」駅を降りるとすぐに参道があります。
両側に松が植えられています。
地図
世田谷の寺社
境内の見どころ
浄真寺では本堂の西側に三棟の仏堂が並んでいますが、本堂が現世を表し三棟の仏堂が西方の極楽浄土を意味しています。
総門
九品仏浄真寺の入り口にあたる門で、境内の堂宇の配置は江戸時代とほとんど変わりはないようです。
編額
総門の編額で「般舟場」と書かれています。般舟とは 常に行道念仏を唱えて諸仏を見る心であり、 参詣に訪れる人の往生を願う心が自然に芽生えるように書かれました。
閻魔堂
巨大な閻魔大王像が祀られています。
開山堂
開山の珂碩上人像が祀られています。
仁王門
1793年の建立で、別名「紫雲楼」とも呼ばれています。
境内は約12万㎡の広さがある都内有数の風致地区となっています。仁王門から中に入るとまったくの別世界となっており、自由が丘から徒歩10分の範囲にこんな空間があるとはとても信じられません。
鐘楼
1708年の建立で、関東でも屈指の名楼とされています。
本堂
1698年の建立です。
浄土を象徴する三仏堂がある西方を向いています。
こちらでは中に入って本尊の釈迦牟尼佛像を心行くまで拝むことができます。(本堂も三仏堂も堂内撮影可だそうです。)
墓地
九品仏浄真寺の敷地内には広大な墓地があります。
都心部にある風致地区という恵まれた環境の中でご先祖様の供養ができます。高級住宅街の中にある広大な墓地ということで、最初はびっくりすると思います。
西方浄土を表す三仏堂
本堂の西側に上品堂(じょうほんどう・中央)中品堂(ちゅうぼんどう・右)下品堂(げぼんどう・左)の三仏堂があり、西方に位置するという極楽浄土の姿を表しています。
ここには浄眞寺の開基である珂碩が完成させていた9体の阿弥陀如来像が各々三体づつ安置されています。九品仏という名はここからとられましたが、9体そろっているのは浄真寺と京都の浄瑠璃寺だけです。
浄土宗は「南無阿弥陀仏」を唱えるとどんな人でも極楽浄土へ行けると説いており、極楽で出迎えて下さるのが阿弥陀如来です。その際にそれまでどんな生き方をしてきたかにより「上の上」から「下の下」まで9段階にランク分けされ、それぞれのランクに応じた阿弥陀様が迎えて下さるということで、手の位置や指の曲がり具合によりランクが表されています。
中品堂
上品堂
下品堂
ちなみに2014年から20年かけて九品仏の大修繕事業を実施中です。九品仏及び御本尊の釈迦如来像を1体づつ搬出して一年半から二年かけて修理を実施するというもので、下品中生仏(下品堂の右側の像)が修理所に遷座中です。(令和3年2月7日現在)
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