浦賀の叶神社(かのうじんじゃ)は大願が叶う縁起の良い神社として知られており、浦賀港の両岸に位置する東西両神社にはそれぞれ異なる見どころがありました。東西それぞれで大変に力強い書体の御朱印を頂けます。
叶神社の御朱印
御朱印所
御朱印は東西とも社務所でいただけます。
初穂料300円
御朱印
東西共に大変に力強い書体の御朱印です。
西叶神社
東叶神社
叶神社の由緒
叶神社は平氏の横暴を憤っていた文覚上人が伊豆で源頼朝の知遇を得、源氏の再興を願って1181年に京都の岩清水八幡宮を勧請して創建したものです。壇ノ浦の戦いで平家が滅亡して源氏再興の大願が叶ったことから、1186年より以降叶大明神と呼ばれるようになりました。
1644年に分霊祭祀により浦賀港の対岸にも新たに叶神社が設けられ、これ以降東西2つの叶神社が並立しています。
最近では西叶神社で勾玉を授かり、東叶神社のお守り袋に入れて身に着けると良縁などのご利益があるといわれていますが、これは両社の宮司の話し合いで誕生したアイデアです。
西叶神社の見どころは社殿の彫刻
西叶神社は浦賀駅から徒歩で20分くらいの場所に位置しています。
大鳥居
参道
神社は岡の中腹に位置しています。
銅灯篭
石段の両側に上野東照宮を思わせる立派な銅灯篭があり、由緒を調べてみましたが不明です。
拝殿
西叶神社の社殿は1837年に焼失し、現在の社殿は1842年に再建されたものです。
本殿、弊殿は総檜造りで豪華な装飾がなされており、建築費はおおよそ三千両を要した
といいます。
当時名工と謳われた安房国の後藤利兵衛による彫刻が至る所に施されています。
本殿
境内社
左から船守稲荷神社、三峯神社、大鷲神社、淡島神社が祀られています。大鷲神社では毎年12月13日に酉の市が開催されます。
本殿の隣に福寿弁財天が祀られています。
◆京急線沿線で頂ける御朱印
東叶神社神社の見どころは東京湾の眺望
東叶神社は渡し船の乗り場から約200mくらいの場所にあります。
大鳥居
ソテツ
社殿に昇る石段の両脇に植えられているソテツは源氏再興の願いが叶った頼朝が伊豆から移植奉納したものだと伝えられています。
拝殿
関東大震災で倒壊し、現在の建物は昭和4年に再建されたものです。
恵仁志坂(えにしざか)
拝殿から本殿である奥の院である本殿までは200段以上に石段を上がらなければなりません。
拝殿脇から中段までの坂が恵仁志坂(えにしざか)で、中段から頂上までが産霊坂(むすびざか)です。えにしがあって結ばれて願いが叶うという誠にありがたいスポットです。
奥の院
小さいながら立派な彫刻のある本殿でしたが火災により焼失してしまい、現在の建物は創建八百年を記念して昭和56年に再建されたものです。
奥の院がある明神山山頂からは遠く房総半島まで見渡せます。
勝海舟断食跡
勝海舟が咸臨丸船長として日本初の太平洋横断に出発する際、航海の安全を祈願して東叶神社で断食修業を行ったといいます。
ちなみに社務所の奥に「勝海舟断食修業の折使用の井戸」が残されています。
境内社
海上交通の安全と戦等の勝ち運を司る身代わり弁天が拝殿の脇に祀られています。
奥の院に隣接して東照宮があります。
東西の行き来に便利な渡し船
浦賀は街の中心に海が食い込むような地形で、これが古来より東西の交通の妨げとなってきました。
そのため江戸時代からこの地では渡し船が運行されており、現在でも東西の叶神社を行き来する際に大変に重宝します。
御座船風に仕立てられた愛宕丸はポンポン船の愛称で親しまれています。
ほんの数分の船旅ですが、思っていた以上に楽しめました。
このブログのイチオシ記事
船に乗って行った寺院
「評価に値する」と思われたらワンクリックお願いします。読者登録とブックマークを頂けるともっと嬉しいです。