東急線沿線で展開するしぶそばで花巻そばが新メニューとして登場しました。池上店だけのメニューを全店で期間限定で提供するもので、のりの味と香りが素晴らしかったと思います。
高級感が漂う駅そば
しぶそばは東急線沿線を中心に展開する駅そば店です。
1980年代に井の頭線の改札外にあった「ふたば」を起源としており、1990年代にJR渋谷駅の玉川改札を出てすぐ左手に移転し、2005年に店舗を改装した際に「しぶそば」に改称しました。
東急百貨店東横店の取り壊しに伴い「本家」のしぶそばは2020年9月に閉店となりましたが、現在では二子玉川・あざみ野・長津田など全14店の「分家」で構成されています。
小田急線沿線で展開する箱根そばと同様に生そばをその場で茹でる方式を採っているため、茹で上がりからどのくらい経過したそばが出てくるかが需要なポイントです。しぶそばは茹でたてとそうでない場合の差が箱根そばほどは大きくなく、駅そばでありながらどちらかというと高級感が漂っている店のように思います。
生麺と冷凍麺のいいとこ取り。「冷凍生麺」をまだ知らないの?
池上店限定メニューを全店で提供
現在しぶそばでは福岡有明のりを使用した花巻そばが新メニューとして提供されています。
花巻そばとはかけそばにちぎった焼き海苔を散らしたそばのことで、海苔が磯の華に見えたことからつけられた名前です。意外にも江戸発祥で、岩手県の花巻とは無関係なのだそうです。
有明海は川から流れ込む豊富な養分に加えて適度な塩分があり、しかも干潮時には海苔養殖の網や岩礁が海面の上に現れて空気にさらされるなど、調和のとれた自然の恵みを受けています。そういう環境で育ったのりをのせることにより出汁に磯の香りが加わって何とも美味なのだそうです。
もともと池上店限定のメニューだったものを9月29日~10月30日の期間限定で全店で提供するもので、温かいかけそばだけでなく冷たい蕎麦もあります。
打ちたての生麺を急速冷凍した「冷凍生麺」
のりの味と香りが素晴らしかった
今回は中央林間店で食べてみました。10月末までの期間が終了しても池上店で食べられるようです。ざるそばの上に申し訳程度にかけられているのと違い、完全にのりが主役のそばでした。
温かいそば
どの資料を見ても花巻そばとは「かけそばにちぎった焼き海苔を散らしたそば」と定義されていますが、しぶそばの花巻そばには温かいそばと冷たいそばがあります。
まずは温かいそばからです。写真ではそれほどでもないかもしれませんが想像のはるか斜め上を行くようなインパクトのある外観で、カウンターでそばを受け取ってテーブルまでたどり着くまでの間「これはどうやって食えばいいんだ?」と考えていました。(正式な花巻そばではねぎは禁物なのだそうです。)
しかしラーメンにのっている海苔と違って出汁に浸すとすぐにほぐれていきます。
あっという間に出汁に溶け込んでいきました。
のりの香りがぷんぷんしています。出汁に溶け込んだのりがそばにからみつき、のりとそばの味を同時に楽しむことができました。
冷たいそば
後日再びしぶそばを訪れ、今度は冷たい花巻そばを試してみました。カリカリの状態になったのりがたっぷりと盛られています。
思い切りかき混ぜるとカリカリののりがぶっかけつゆを吸って急速にしっとりとしてきました。
のりの味と香り、その中でもやはり香りが違います。温かいそばの時は出汁にのりが完全に溶けましたが、冷たいそばの場合はコリコリ感があり、茹でたてでコシが最強の状態の麺に独特のアクセントが加わりました。
数分間茹でるだけで専門店級の出来立ての一杯
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