御朱印とうどんを極めたい!!

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〖終売〗富士山麓樽熟成原酒50°は意外とコストパフォーマンスがいい酒だった

富士山麓樽熟成原酒50°はウィスキーの消費量が減少傾向にあった時代に次世代の主力商品としてキリンが開発した商品です。ノンチルフィルタード製法という特殊製法を採用することにより樽熟原酒本来の味わいを追求しており、一方で50度という高いアルコール度数が如実に味わいに反映しています。※最近のウィスキーブームに伴う原酒不足のため、どうも終売になったようです。

次世代の主力商品として開発された

キリンがウィスキー事業に参入したのは昭和47年です。この頃は外圧や税制改正により輸入ウィスキーが手の届きやすいものとなったことによりウィスキーブームが発生し、その中で国内の酒造メーカーによる新規参入が相次いでいた時期になります。

キリンは米シーグラム社、英シーバスブラザーズ社と合弁でキリンシーグラム(株)を設立させ、翌年には富士御殿場蒸留所が竣工しました。御殿場は富士山の豊富な伏流水と雄大な自然の中で浄化された空気という自然環境に恵まれた環境にあり、ウィスキー造りに最適な場所と判断されたようです。

結局ウィスキーブームは長く続かず昭和55年をピークに消費量は減少を続け、2000年代に突入する平成12年頃にはピークの半分になってしまいます。

富士山麓樽熟成原酒50°ウィスキーに対して逆風が吹き荒れているような時代に「キリンの顔になる次世代のウィスキーを作る」というテーマと、「ウィスキー本来の香りと味わいを持つ、本格的なウィスキーを低価格で」という目標で製作された新商品が、富士山麓樽熟成原酒50°です。

樽熟原酒本来の味わいを楽しむ「ノンチルフィルタード製法」

富士山麓樽熟成原酒50°の最大の特色が50度というアルコール度数です。通常のウィスキーが40度~43度で、私が最近飲んだ最も高い度数の酒がイチローズモルトホワイトラベルの46度ですから、50度というのはとてつもなく高い度数だといえます。

熟成を終えたウィスキーはまだまだアルコール度数が高く、加水することによって調整しますが、富士山麓樽熟成原酒50°の場合は少量の加水で済みます。加水の量が多いウィスキーは香味成分が折出することによって濁りを生じやすいため、通常ではこれを防ぐために約0~5度まで冷却して濾過します。冷却濾過された状態を「チルフィルタード」といいますが、この時にウィスキーが本来持っている味わいの成分まで濾過されてしまいます。

少量の加水で済む富士山麓樽熟成原酒50°の場合は香味成分がほとんど折出しないため濾過が不要で、樽熟原酒本来の味わいを楽しむことが出来ます。

アルコール度数の高いウイスキー

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ストレート

ストレート50度の酒というのはやはり強すぎで、正直言ってストレートでは味がよくわかりません。アルコールが喉を刺激して何度もむせ返ることになりました。強いアルコールの奥にほのかな甘さがあるようにも思えますが、それ以上に喉が熱くなります。

ロック

ロックロックでもほぼストレートを飲んでいるような感覚です。しかし氷を入れて冷やすことにより若干角が取れてトロリとしてきたことにより、何となく甘さが感じられるようになりました。

水割り

富士山麓樽熟成原酒50°と南アルプスの天然水次に水で割ります。合わせる水は南アルプスの天然水です。

トワイスアップ(1対1で氷を入れない)

トワイスアップ同量の水で割ることにより、ようやくじっくりと味わうことが出来るようになりました。滑らかでバランスが取れており、ほんわかした甘さを感じます。意外とバランスが取れていたのが驚きですが、これでもまだまだ強いと感じます。

ハーフロック(1対1で氷を入れる)

ハーフロック同量の水で割り、さらに氷を入れるとさすがに落ち着いて飲むことが出来ます。散々むせ返りながら飲んでいたウィスキーですが、実はしっかりとまとまった味わいであることがよくわかりました。

意外とコストパフォーマンスがいい酒だった

富士山麓樽熟成原酒50°は700㍉で1500円前後の酒ですが、50度という高いアルコール度数であるため、必然的に1回に飲む量は減ります。そのためこれまで飲んできた酒より長持ちさせることが出来、コストパフォーマンスに優れた酒であるように思います。

それにしても46度という度数を全く感じなかったイチローズモルトホワイトラベルはやはり凄い酒だったのだと改めて思います。

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