今回は稲庭うどんの名店として有名な「銀座 佐藤養助」をご紹介します。稲庭うどんは秋田県の南部で食べられているうどんで、そうめんと呼んでも良いような製法で作られるため、他の地域のうどんにはない独特な味わいが特色となっています。
三大うどんの一つである稲庭うどん
日本各地にはそれぞれ独自のうどんがあり、当ブログでこれまでご紹介しただけでも讃岐うどん、武蔵野うどん、博多うどん、関西うどん、名古屋きしめん、吉田うどん、水沢うどん、伊勢うどん、盛岡じゃじゃ麺、山梨ほうとう等々、実に数多くの種類がありました。
日本には「三大〇〇」と呼ばれるものが数多くあり、当然のことながらうどんにもあります。「三大大仏」「三大東照宮」「三大天満宮」といった類のものの大半は三番目が怪しく、どれも定番二つに加えて地元のものをねじ込むというのがおきまりですが、三大うどんの場合は讃岐と稲庭が当確で、三番目を各地のうどんで競っているという状況のようです。
稲庭うどんの製法の特色
稲庭うどんの特色としては細さとコシの強さ、滑らかさにあると思いますが、それは稲庭うどんの独特な製法によるところが大きいように思います。
讃岐うどんが手でもみ足で踏み込んだ生地を平たく伸ばし、包丁で切る「手打ち」製法であるのに対し、稲庭うどんは練る、綯(な)う、伸ばす、かけるという工程を経て熟成を重ねていく、独特の「手延べ」製法で作られます。
生地をのして約3cm幅に切り、これを転がしながら角を取ります。次に小巻きにした生地を両手でよりながら、2本の棒にあやがけします。さらにうどんをけたにかけ、手でさすりながら120cmくらいに延ばし、最後は中までしっかり乾燥するように一昼夜乾燥させるのです。
それぞれの工程において生地を熟成させるため、佐藤養助商店の場合は麺が出来上がるまでに4日間かかり、限りなく手延べそうめんに近い製法です。
佐藤養助商店とは
稲庭うどんは江戸時代中期に誕生したといわれていますが、1860年にこの製法を二代目佐藤養助が受け継ぎ、以後一子相伝で歴代の佐藤養助にだけ受け継がれていました。
昭和42年に七代目を引き継いだ佐藤養助が家業から産業への発展を目指して昭和47年に家人以外の職人も受け入れ、一子相伝の秘法の技術公開に踏み切ったのですが、それ以前は殿さまや皇室に納められるような超高級品であり、庶民に食されるようなことはなかったということです。
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首都圏初の直営店「銀座 佐藤養助」
「佐藤養助」は稲庭うどんの製法を代々受け継ぎ、150年以上、伝統の技を守り続けている稲庭うどんの名店ですが、「銀座 佐藤養助」は首都圏発の直営店として銀座の数寄屋橋交差点のすぐ近くに位置しています。
さすが超高級店という事もあって店構え、店内の雰囲気、店員の態度等々、これまで入ってきたうどん屋とはまるで違います。絶対にビビってはならじと自分を励ましつつ、一番人気のメニューだという「二味せいろ」を注文しました。
綺麗に盛りつけられた細くてコシの強いうどんを醤油と胡麻だれの二種類のつけ汁でいただきます。うどんがキラキラと光り輝いていて、見た目の美しさではこれまで食べてきた全ての麺類の中でも断トツです。うどんというよりそうめんに近いのではないかというような細さですが、意外な程しっかりとしたコシや弾力があり、飲み込んだ際の喉ごしも最高でした。
二種類のつけ汁のどちらとも合っていたと思います。讃岐うどんを食べ歩いてきた私としては醤油をたらして食べてみたかったのですが、そういうおふざけを許してくれなさそうな雰囲気がありました。
銀座 佐藤養助
営業時間:平日 11:30~15;00 17:00~2;00
土日祝11:30~15:00 17:00~22:00
定休日:なし
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