困ったときこそ酒と神様

日産スタジアムや東京ドームが浅草寺・増上寺なら神宮球場は法隆寺のようなものです。こういう建物は残さなければいけません。

〖論外〗夜間のハイビーム義務化なんてとんでもない!

今回は車のハイビームについて述べます。教習所でハンドルの持ち方についての指導法が変化しているようですが、最近はそれだけではなく夜間のライトの点け方についても変わってきているようです。指導法だけならともかく最近では夜間はハイビームが義務化されるとまで言われていますが、これはとんでもないことです。

「 夜間の常時ハイビーム」を訴えるテレビ報道

2015年に歩行者が夜間に道路を横断中に自動車にはねられた事故の内96%がハイビームではなくロービームだったということで、警視庁は基本的にハイビームを使うように呼び掛けているといいます。先日もフジテレビの朝の情報番組で事故の映像を流したうえで、リポーターの女性アナウンサーが「ハイビームにしていればこれらの事故は避けられた」という趣旨の説明をしていました。コメンテーターが様々な異論を唱える中、リポーターが「夜間は常時ハイビーム」という方向に何としても持っていこうとしていた様子が印象に残っています。

昨年の11月、急な雪で立ち往生する車が多数発生した際に、「スタッドレスタイヤでもチェーンを巻かなければいけないんです!!」とテレビ朝日の男性アナウンサーが力説していたことを思い出しました。どう見ても警察の意図を忖度した放送内容ですが、どのチャンネルでも「警視庁24時」的な特別番組が定期的に放送されるように、テレビ局という所は警察には弱いようです。

 私は道路状況に応じて切り替えている

私は基本的にはロービームです。

ロービームの視界

都市部のほとんどは街灯で十分に先まで見通せますし、大抵の場合対向車や前走車があるのでハイビームは危険です。

ハイビームの視界一方で栃木県黒磯市(現那須塩原市)に3年半住んだことがあり、ここでは中心部から車で5分も走れば嫌でもハイビームにするしかないような田園地帯に入ります。周囲は完全な闇でロービームでは40mより先が全く見えず、それでは怖くて走れません。それでも対向車が来たり、市街地に戻ったりした時にはロービームに切り替えるなど、状況に応じてスイッチを切り替えていました。

ウィンカーのレバーウィンカーのレバーを手前にするか奥にするかだけですから簡単です。

「事故の96%がロービーム」に込められた意図的なごまかし

「歩行者が夜間に道路を横断中に自動車にはねられた事故の内96%がロービームだった」といいますが、市街地を走る車の大半がロービームでしょうからこれはむしろ当然のことです。大切なのは「ロービームであったことが原因で発生した事故がどれくらいあったのか」ということですが、これではわかりません。警察がその気になれば簡単に出せるはずのデータが出てこないことに何か意図的なものを感じます。

フジテレビで繰り返し流された映像は真っ暗な中にいきなり人が現れるというもので、「ハイビームにしておけばこういった事故は防げたのです!!」と女性アナウンサーは繰り返していましたが、あれだけ周囲が暗ければ私もハイビームにします。

このような事故の映像から「夜間はハイビームが原則」という主張をするのはいかがなものでしょうか。

道路交通法を読んで自分で考えてみよう

ネットを調べてみると警察の呼びかけのせいか、「夜間はハイビームが基本だって知ってた?」という趣旨の記事が随分と沢山あって驚かされました。「ハイビームが原則というのは法的に本当で、これに違反すると5万円以下の罰金となる。」と弁護士が書いた記事も幾つもあります。

実際に道路交通法を読んで自分で考えてみましょう。

 

この弁護士が根拠としている道路交通法52条を引用します。

第五十二条  

1 車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。

 

要するに第五十二条第1項の内容としては夜間はライトを点けなさいということです。

 

2  車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。

 

第2項で「灯火の光度を減ずる等灯火を操作する」というのはロービームにすることでしょう。そうすると第1項の灯火をつけるということはハイビームを意味します。従ってロービームは法令違反というのがこの弁護士の主張です。

ハイビームのランプ

しかし市街地を走行する場合のほとんどが第2項で「灯火を操作しなければならない」とされた「他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合」ではないでしょうか。地域によって原則と例外がひっくり返ってしまうほど日本の道路状況は場所によって変化します。

ハンドルの持ち方について書いた記事でも書きましたが、運転の仕方はその時々の道路状況によって千差万別で、一つのやり方を「基本」だとして全てに適用しようとすることに無理があるのです。

「教習所で習ったから」「警察が言っているから」が一番危険

ハンドルの持ち方にせよ、シートの合わせ方にせよ、ブレーキの踏み方にせよ、ライトの点灯の仕方にせよ、どうしてそのようなやり方をするのか自分で理由付けできることが大切で、「教習所で教わったから」「警察がこう言っているから」と何も考えずに鵜呑みにすることが最も危険なのです。

番組では「夜間は常時ハイビーム」という方向に何とか持っていこうとするリポーターに対し、「状況に応じて」というところで最後はMCがまとめていました。「私はペーパードライバーだからいちいちスイッチを切り替えるなんて大変なことできなぁーい」というコメンテーターがいましたが、こういった人は永久にペーパードライバーでいてくれと思います。

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