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ようやくたどり着いた、ストレスフリーで酒やうどんを楽しめる日々。これこそがご利益だったのかもしれません。

厚木基地で最もよく見るP-3Cは最強の潜水艦ハンターだった

私は町田で西向きのマンションに住んでいるため、厚木基地に離発着する軍用機の姿というものは入居以来全く変わらない風景です。これまで15年間ただ何となく眺めるだけでしたが、最近になって飛行機の写真を撮るようになるとこれが意外と面白く、ひょっとすると御朱印に続く新たな趣味として今後確立できるかもしれません。

 

ひたすら撮りまくってきた写真を整理しようとしてのですがこれが実に大変でした。まずプロペラ機、ジェット機、ヘリコプター、戦闘機と大まかに分類し、海上自衛隊のHPで一つ一つ機種名を突き合わせていったのですが、予備知識ゼロだったので大変に時間がかかりました。今では厚木基地に配備されている飛行機の大半がわかるまでになったと思っています。


厚木航空基地はアメリカ海軍と海上自衛隊が共同使用している基地です。アメリカ海軍では空母ロナルドレーガンの艦載機である第5空母航空団の本拠地であり、海上自衛隊としては日本周辺海域の海上防衛にあたる第3航空隊や航空輸送部隊である第61航空隊の拠点となっています。


厚木基地に配備された飛行機の中で、今回は最も頻繁に飛んでいる哨戒機のP-3Cについてご紹介したいと思います。

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哨戒機P-3Cは1978年より調達が開始された超ロングセラーです。日本の周辺海域を365日飛行し、付近を航行する船を観測する海の守りにおける重要な目の役割を果たしています。船名を隠して航行していた北朝鮮の工作船を発見したのもこのP-3Cなのです。

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P-3Cはかつては対潜哨戒機と呼ばれていた潜水艦ハンターとして知られています。水中マイクであるソノブイを海中に投下し、複数のソノブイで敵潜水艦に対する探知網を作ります。ソノブイから発する音波による探知は、静粛性が格段に向上した現代であっても潜水艦にとって最大の脅威なのです。

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ソノブイからの情報により敵潜水艦の位置が判明すれば、哨戒機や周辺の護衛艦により攻撃が加えられ撃沈されます。

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実は潜水艦の探知には船よりも飛行機が向いているのだそうです。船は航行するための音が障害となって潜水艦の音を聞き取ることができません。また探針音を出せば相手の位置を突き止めることはできますが、逆に相手に対して自分の位置を教えてしまうことになります。しかし飛行機であればたとえ位置がばれてしまったとしても潜水艦からの攻撃を恐れる必要がありません。そのため現代の対潜水艦作戦の主力は航空機なのです。

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冷戦時代にアメリカ海軍が約200機を世界の主要地域で展開していたのに対し、海上自衛隊は日本近海だけのために約100機保有していました。それだけソ連や中国を封じ込めるという役割を日米安保体制の中で期待されていたことがよくわかります。

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導入以来様々な能力向上策が採られてきたP-3Cですが、今後は後継機として期待されている国産ジェット機のP-1に順次切り替わっていくと思われます。

◆イベントで基地の中に入ってみた記事

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◆厚木基地北側の撮影ポイントを紹介した記事

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