ジャパニーズウィスキーの代表格であるサントリーオールドは最盛期には国内における総売り上げの四分の三を占めていたとされるウィスキーですが、急増した国内需要をカバーできた裏側には意外な黒歴史がありました。
最盛期には日本のウィスキーの四分の三を占めていたオールド
オールドは角瓶と並んでジャパニーズウィスキーを代表するブランドですが、「今は飲めなくても係長になったら角瓶を、課長になったらオールドを」という言葉にある通り国産高級ウィスキーの代名詞的存在でした。かつては高額の税金がかる輸入ウィスキーに代わる存在として売れに売れ、最盛期には日本のウィスキーの売り上げの四分の三がオールドだったといいます。
急増した国内需要をカバーできた裏事情
ウィスキーは仕込んでから製品になるまで時間のかかる商品であり、売れたからといって急に増産できるものではありません。オールドが急増する国内需要をカバーできたという事の裏には黒歴史といってもよい事実があったようです。
1981年当時のサントリーの内部資料によるとオールドの成分構成としてはモルト27.6%、穀物アルコール45.1%、水26.1%、甘味果実酒0.8%、リキュール0.6%、カルメラ0.6%だったといいます。穀物アルコールは樽貯蔵されていませんから本来ならウィスキーと呼んではいけないものでした。そしてウィスキー本来の色と味わいを出すためには着色や風味付けが必要でした。
ブレンデッドウィスキーとはモルトウィスキーとグレーンウィスキーをブレンドしたものですが、サントリーでグレーンの製造ができるようになったのは知多蒸留所が稼働する1972年以降です。グレーンの熟成が進む1980年代まではまともなブレンデッドウィスキーを製造できる体制ではなかったと言えるかもしれません。
外圧により2度にわたり酒税が改正された結果品質の良い輸入ウィスキーがこれまでより低価格で流通するようになった結果、オールドの売り上げが輸入ウィスキーに奪われるようになりました。そのためオールドに対し改良に改良を重ねて現在に至っているのです。
グラスにこだわるとウィスキーはもっと楽しくなる
ウィスキーの馥郁とした香りと色合いを楽しむには、クリスタルのグラスが最適です。
ボトルのデザインが印象的
オールドと言えばやはりこのボトルのデザインが印象に残ります。1950年の発売開始からほとんど変わっていないと思いますが、その上質感・高級感は現在でも立派に通用します。芸術的と言ってもいいのではないでしょうか。
ダイニングの戸棚の中にある父親のオールドを盗み飲みしたのが私の酒の初体験で、私にとって原点と言えるウィスキーです。
グラスにこだわるとウィスキーを考えて飲むようになる
感性を呼び起こし、満たしてくれるウィスキー。その時間をお気に入りのグラスと共に過ごしてみては如何でしょう。
ストレート
ストレートの場合、大抵の酒は口に含むと「オッ!」という強さを感じるのですが、オールドの場合はストレートでも口当たりが良くまろやかさを感じます。いかにも日本のウィスキーです。
ロック
氷が入ることにより、すべてにバランスが取れた上に柔らかさが加わったように感じます。スッキリとした甘さです。
愛用のグラスがあるとウィスキーはもっと楽しくなる
それぞれの飲み方に応じた最適なグラスをご用意しています。詳しくはコチラ
水割り
次いで水で割ります。
合わせる水は箱根の森の天然水です。
トワイズアップ(1対1で氷を入れない)
全体的に柔らかな味わいで、洋菓子のような甘さです。
ハーフロック(1対1で氷を入れる)
「これぞ水割り」とでもいうような柔らかくてスッキリとした味わいになりました。全ての飲み方の中ではハーフロックが一番良いように思います。
ハイボール
上戸彩さんのCMで有名なソーダストリームを使用してつくった完全に私好みの炭酸水を使用します。
ほろ苦さと甘さがマッチしてシャキシャキした爽やかな味わいとなりました。
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〖必見〗「ソーダストリーム」で完全に自分好みの炭酸水をつくってみた - 酒とうどんと御朱印の日々
オールドはハーフロックが最良
四通りの飲み方を試してみましたが、「水と生きる」サントリーという事もあってなのかハーフロックが一番美味い飲み方であると思います。
日本人に合ったウィスキーを目指す中で国際的なコンテストで最高点を取るなどサントリーのウィスキーに対する世界の評価は高まっています。今や手頃に飲めるウィスキーとなったオールドが今後どのように進化するか注目したいと思います。
グラスにこだわるとウィスキーはもっと美味しくなる
★未成年の飲酒は法律で禁じられています。飲過ぎには十分に注意しましょう
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◆淡麗辛口をキャッチコピーにした白角の記事
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