今回はバーボンウィスキーのワイルドターキースタンダードをご紹介します。荒くれ者が飲む酒という印象が強いのがバーボンの特色ですが、ワイルドターキーは特にそのイメージが強く、一方で歴代大統領が愛飲した酒としても知られています。今回5種類の飲み方で試してみました。
七面鳥のハンティングで友人に振舞ったから「ワイルドターキー」
ワイルドターキーの歴史は1855年にコーヒー、紅茶、酒類の卸売り販売業者としてオースティン・ニコルズ社が設立されることに始まります。1869年に蒸留所を開設して本格的にウィスキー製造に乗り出しましたが、1920年に禁酒法が施行されるとウィスキー製造は中止され、オースティン・ニコルズ社は食品卸業に転身します。
1933年に禁酒法が廃止されると食品卸業から撤退して再びウィスキーの製造販売に戻りましたが、この頃は蒸留所を持っておらず、購入した原酒をブレンドして販売していました。
1940年に社長が七面鳥のハンティングの際に友人たちに自社のバーボンを振舞ったところこれが好評で、狩りの獲物にちなんで「ワイルドターキー」と名付けられました。
その後禁酒法成立以前の製法を学んで1970年に蒸留所を買収し、それ以降は蒸留から醸造までの工程を一貫して自社で行っています。
歴代大統領が愛飲した酒
アメリカの連邦アルコール法によればバーボンとは
1.原料にトウモロコシを51%以上使用(80%以下)
2.アルコール度数80度以下で蒸留
3.内側を焦がしたホワイトオークの新樽に62.5度以下で樽詰めする
4.水以外を加えずに、アルコール度数40度以上でボトリングする。
と定められており、これを満たしていればボトルラベルに「KENTUCHY STRAIGHT BOURBON」と書くことが出来るのだそうです。
ちなみにワイルドターキーのラベル。
アーリータイムズのラベル。
アイゼンハウアー大統領が客をもてなす際にワイルドターキーを出すという事で全米で人気となりましたが、ルーズヴェルトやクーリッジ、ケネディといった歴代大統領も愛飲していたといいます。
ストレート
バーボン特有のパワフルで鮮烈な味と香りです。厚みのあるフルーティーさが印象的で、滑らかで口当たりはいいもののアルコールの刺激が強く、いかにもハードボイルドの世界にいるような気分になれます。
ロック
氷を入れることにより甘みととろみが出てきました。滑らかな口当たりで口の中でも甘い香りを感じることができます。
水割り
次いで水で割ります。
合わせる水は横浜市の水源のひとつである道志川の清流水を詰めた横浜市オフィシャルウォーター「はまっ子どうし The Water」です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない)
同量の水を足すことにより香りもさらに花開いてきたようです。すっきりとした中にもほんのりとした甘さを感じますが、これまで飲んできたトワイスアップの中では最も引きしまった味だと思います。水で割っても「薄まった」という感覚は全く感じませんでした。
ハーフロック(1対1で氷を入れる)
異様にスッキリとしていて後味爽快であり、バーボンというよりもよくできたカクテルを飲んでいるようでした。
ハイボール
上戸彩さんのCMで有名なソーダストリームを使用してつくった私好みの炭酸水を使用します。
炭酸の甘み・酸味とウィスキー自体のフルーティーさがよく合っており、シャキッとした味となりました。
ロックかハイボールで飲むのが最もよい
意外な味わいのバーボンでしたが、私の好みとしてはロックかハイボールで飲むのが最もよいように思います。
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