今回は鎌倉西御門の千花庵をご紹介します。
鎌倉で円覚寺、建長寺、東慶寺といった北鎌倉エリア、あるいは英勝寺、海蔵寺、浄光明寺といった扇ガ谷エリアから覚園寺、荏柄天神社、瑞泉寺といった二階堂エリアに移動する際は、いつも鶴岡八幡宮境内を横切って清泉小学校北側の道を通っています。
そこにそば屋がある事は以前から気付いており、どうにも気になる存在であったのですが、梅の様子を見に久しぶりに鎌倉を訪れる機会を利用して入ってみることにしました。
西御門という場所
千花庵がある西御門(にしみかど)は鶴岡八幡宮の北東方向にあります。
源頼朝が鎌倉に幕府を開く際、当初は父義朝の邸があった現在の寿福寺のあたりを考えていましたが、手狭であったため最終的に現在の清泉小学校のあたりを選びました。ちょうど幕府の西門があった場所であることからこのあたりは西御門という地名になっています。
鎌倉の主要な観光地からは少し奥まった場所にあるための大変に静かな環境にあり、横浜国立大学付属小・中や清泉小学校といった名門校が近くにあることもあって、観光客であふれかえる雪ノ下や小町と違ってハイソな雰囲気がプンプンしています。
本来こういった環境では地域住民だけを相手するしかないのですが、それでは商売として成り立たせるのは難しいものがあります。しかし立地の特性によりこちらは毎日一定の数の観光客が店の前を通ります。それも普通より鎌倉に詳しい人ばかりです。少し高級なそば屋としては絶好の立地といってもいいかもしれません。
行列が凄すぎて閉店した事で有名なつけめん屋「六厘舎」の通信販売
十割蕎麦の特徴
千花庵は十割蕎麦を売りにしています。そばの中で小麦粉などの「つなぎ」を混ぜないでそば粉だけで仕上げたものを特に十割蕎麦といいます。そばを打つときは「つなぎ」として小麦粉を入れることが多いのですが、その際に 小麦粉に含まれているグルテンがそば粉同士をつなぐ役目をします。十割そばはこのつなぎが一切入っていない〖だけのそば粉そば〗ということになります。
つなぎが入っていないことから技術的には難しいものがあるようで、鎌倉の別のエリアで店主がドヤ顔で出してきた十割蕎麦は、一口食べただけ後悔するような代物でした。千花庵は事前にネットで調べるとそれなりに評価の高い店であり、恐らくそのようなことはないでしょう。
うどんと違ってそばは食べ方についての注文がうるさいのですが、一番最後の部分でホッとしました。
今なお東京駅で行列を作り続けている「六厘舎」の通信販売
千花庵のざる蕎麦
千花庵は2種類のそばの食べ比べが名物の店のようですが、最初であるので最も基本的なメニューという事でざる蕎麦を注文しました。
向島のすずめのお宿ではそばつゆの量の少なさに驚きましたが、千花庵はさらに少なく器の底にちょびっとしかありません。そばはつゆに全部つけてはならず、先っぽだけ浸すのがいいと言います。そばつゆがこれだけでは嫌でもそういう食べ方になるのですが、それだけそばつゆの味が濃いのです。
そばは角ばっていてざらざらしており、歯ごたえがあってしっかりとした味でした。同様に濃厚なつゆは先っぽしかつけなくても十分にそばの味を引き出します。美味しいそばとはこういうものを言うのだろうと思いました。
しかし量が少ないためすぐに完食です。
必然的に追加ざる蕎麦を注文することになりますが、つゆはもうほんの少しだけです。
追加分も食べ終わった時、最終的にそばちょこの中身はこのようになっていました。
これでは蕎麦湯はそれ程注げません。次回以降は食べ方を工夫しなければならないようです。
鎌倉の楽しみ方が広がった
これまで鎌倉ではうどんばかり食べてきましたが、今回美味しいそばの店を見つけることが出来ました。平日でも混雑している小町通りとは全然違う場所ということもあり、鎌倉での楽しみ方の幅が広がったように思います。</p
十割蕎麦 千花庵
営業時間:11:00~14:30
定休日:月曜
東京にしかないつけめん屋「六厘舎」の公式通販サイト
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