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旧乃木邸の内部は見事としか言いようがなかった

今回は乃木神社の隣地にある旧乃木邸をご紹介します。ドイツに留学した乃木将軍が帰国後フランス陸軍参謀本部を参考にして自ら設計した建物ですが、建物を余すところなく使用して無駄なスペースが一切ない見事なものでした。これだけの建物を自力で設計出来た乃木はどれだけ有能な人物だったのだろうと思います。

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年3回公開される旧乃木邸

旧乃木邸と馬小屋は乃木夫妻の殉死後遺言により東京市に寄贈され、現在は港区の有形文化財に指定されています。これまで年1回だった一般公開が今年から年3回(5月・9月・11月)行われることになり、先日参加してきました。

期間中は自由に入れるのかと思っていたのですが、文化財保護の観点から時間と人数を区切ったものとなり、各回20名ずつとなっています。私は11時半頃到着したのですが、12時35分からのガイド付きの組となりました。

旧乃木邸一般公開の案内

場所によって階数が違って見える

旧乃木邸は木造瓦葺きで、傾斜した地形を巧みに利用して建てられています。正面玄関側から見ると平家に見えます。

旧乃木邸の正面ところが横から見ると2階建てに見えます。

横から見た旧乃木邸さらに裏側に回ると実は地下1階地上2階の3階建てであることがわかります。

裏から見た旧乃木邸乃木将軍がこの地で家を購入したのは明治11年ですが、当時は簡素な造りだったといいます。明治22年に馬小屋が建てられましたが、煉瓦造りで母屋より立派であったため「新坂の馬屋敷」と評判になりました。

明治20年にドイツに留学した乃木は帰国後フランス陸軍参謀本部を参考にして自ら自宅を設計し、明治35年に現在の建物が完成しました。

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旧乃木邸の内部 

邸内は撮影禁止なので、外部に展示してあった説明用の資料を撮影しました。

地階

横の内玄関から入る地階です。主人たる乃木以外は全てこちらから出入りしていました。台所や浴室など完全に日常生活の場です。

旧乃木邸の地階

地階の平面図書生部屋には乃木が作成した漢詩の中でも特に優れた「乃木三絶」の一つである「金州城外の作」が掛けられていました。乃木が浴室を使用する際、通常は書生が背中を流すところ殉死の朝だけは夫人に流させたという事です。

1階

表玄関や応接室といった公的な場所と乃木夫妻の居室という私的空間が共存しています。

旧乃木邸の1階

1階の平面図表玄関から出入りするのは乃木と客だけで、そのため表玄関に面した階段を使用したのは乃木だけだったようです。全体的にコンパクトですが、パブリックな部分とプライベートな部分がきっちりと区別された実に見事な造りであると言えます。外国から軍人などの訪問客も多かったことから2階のトイレだけは腰掛式となっていました。尚、「自刃当日の夫妻」の写真は大応接室で撮られたものです。

 

夫人居室と夫人化粧室はつながっています。朝、完全に身支度の整った状態で夫と対面するのが軍人の妻たる者の勤めだったそうです。大将居室と夫人居室にはそれぞれ殉死当日着ていた物が展示されていましたが、夫人の服の左胸の部分に短刀で刺した跡が残っていて何とも生々しいものがありました。

明治天皇の大葬当日、棺が宮城を出発する号砲が鳴った午後8時に夫妻は殉死します。夫人は短刀で左胸を刺し(一人では上手くいかず、乃木が手助けした模様)、乃木は腹を十文字に切り、膝の間に立てた軍刀に喉をあてがってうつぶせになることで頸動脈を切ったといいます。地階の天井が1階の床板を兼ねる造りですから異変はすぐに地階にいた者に伝わり、電話室から警察に電話したもののつながらなかったそうです。 

2階

二人の息子の居室でしたが、危険であるということで非公開となっていました。

旧乃木邸の2階

2階の平面図

見事としか言いようがなかった

明治期の邸宅といえば接客を目的とした豪華な建物が主流ですが、乃木邸は簡素な中にも必要にして十分な備えのある造りであり、建物を余すところなく使用して無駄なスペースが一切ない見事なものでした。

軍人としての乃木については評価が真っ向から分かれているようですが、これだけの建物を自力で設計したという事ですから、少なくとも無能な人ではなかったことだけは確かではないでしょうか。

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◆旧乃木邸に隣接した乃木神社の記事 

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