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マンションの管理の良し悪しを事前に見抜くコツなど存在しない

誰が言い出したかはわかりませんが、不動産の世界には「マンションは管理を買え」という言葉があります。私が不動産の世界に入った19年前には既に存在していましたから、ひょっとすると分譲マンションの歴史と同じくらい長く語り継がれている言葉かもしれません。

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多数の区分所有者による集合住宅であるマンションにおいて管理は重要です。最近札幌にある築45年で6階建ての賃貸マンションにおいて最上階のコンクリート製の庇が30mにわたって崩落するということがありました。私はニュース映像で見ただけですが、恐らく何十年も保守点検を行わず、それによってコンクリートがボロボロになってしまっているように感じられました。


分譲マンションの場合、このような事態にならないよう区分所有者で組織した管理組合で管理を実施しなければなりません。実際には管理組合が管理委託契約を結んで管理会社に任せている事例が大半だと思いますが、その際は管理会社の担当者である「フロント」社員と、マンションに入って清掃・受付・工事立ち会い等を行う管理員の2人が協力して進めていくことになります。

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私はマンション管理会社で管理員の募集採用業務に1年半、フロント業務で6年の実務経験があり、管理がいかに重要かは骨身にしみて感じています。しかし最近は「マンションは管理を買え」という言葉が独り歩きし、「問題物件を掴まないための管理のチェックポイント」とか「管理の行き届いた中古マンションの選び方」といったハウツー物ばかり氾濫してきたように感じられます。
このようなハウツー物を見ると「過去の修繕履歴」「今後の修繕予定」「長期修繕計画」「修繕積立金の状況」といった項目が共通してチェックポイントとして挙げられています。これらについては過去の総会資料を見ればわかるとし、売り主に見せてもらうとか不動産業者に頼んで管理組合から取り寄せるとか書かれています。

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実際はそんな簡単な話ではありません。
修繕に関しては一般会計の修繕費で実施する場合と修繕積立金の修繕費で実施する場合の2通りあり、手続きが全然違います。修繕積立金で実施する場合は総会における承認が必要ですが、一般会計で実施する場合は予算が承認されていれば理事会が実施可否を判断します。「過去数年分の総会議事録を見ればわかる」と書いていた記事もありましたがとんでもありません。決算資料も読み込むことが必要で、それには総会議案書も必要になります。

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過去の総会資料をきちんと保管するほど管理に関心がある方ならそもそも部屋の売却などしないでしょう。その場合管理会社に問い合わせるしかありません。仲介会社からの「重要事項の調査依頼」というのは私もフロント時代に日常的に受けましたが、これは管理会社が有料で受ける業務になります。負担するのは仲介会社ですから恐らく「買い付け」を入れて契約書を作る段階でしか受けてくれないでしょう。
これらの沢山の資料を事前に取り寄せて読み込むことは一般の方には無理で、契約時に仲介会社から提示される重要事項説明書を読み合わせするくらいしかできないと思います。

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実際の管理業務については管理会社のフロント社員が担当しますが、管理会社の業務というものは大手でも中小でもフロント社員の個人商店と言っていいと思います。同じ会社でも担当者によって仕事の質が全く異なってきます。清掃の状態とかごみ置き場の状態と言った表面的な部分よりこちらの方がよほど重要だと思うのですが、これはチェックポイントではわかりません。仮に問題のある担当だとしても、売主は多分教えてくれないでしょう。部屋が売れなくなると困りますから。

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結局のところ管理の良し悪しを外部の人が契約前に判断するのは不可能だと思います。あえて一つだけあげるとすれば大規模マンションを選ぶことです。大規模マンションの管理を失うという事になれば管理会社の売り上げに響いてくるため、そういった物件は優秀なフロントが担当します。また重要物件ならフォロントに丸投げされている可能性は少なく、総会や理事会に課長や支店長が同行したりします。問題が発生しても組織的に対応してくれるでしょう。
新築にせよ中古にせよマンションの購入にはどうしてもイチかバチかという部分が避けられません。少しでもリスクを下げるためには大手が関わった大規模物件に限ります。

◆杭の長さが足りず傾いたマンションの現場で思ったこと。

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